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クエリ検索: "タヌキ"
2,148件中 1-20の結果を表示しています
  • *亀山 慶晃, 外山 雅寛, 大原 雅
    日本生態学会大会講演要旨集
    2004年 ESJ51 巻 P1-095
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/07/30
    会議録・要旨集 フリー
     一般に、水生植物は陸上の植物に比べて無性繁殖への依存性が高く、特に浮遊性の水草では、植物体が断片化することによるラメット数の増加や集団内・集団間の移動は、種子に依存するより確実かつ効率的と考えられている。日本に生育する浮遊性の水生植物、
    タヌキ
    モ類(
    タヌキ
    モ、イヌ
    タヌキ
    モ、オオ
    タヌキ
    モ)のうち、
    タヌキ
    モは種子を形成できず、無性繁殖によって集団を維持している。しかし、
    タヌキ
    モにおける不稔現象の原因や、集団の維持機構についてはほとんど分かっていない。本研究では、交配実験、葉緑体DNA分析、AFLP分析によって、
    タヌキ
    モの起源と集団の維持機構について検討をおこなった。
     交配実験の結果、有性繁殖能力を持つイヌ
    タヌキモとオオタヌキ
    モの間には非対称的な交配親和性があり、イヌ
    タヌキ
    モを種子親、オオ
    タヌキ
    モを花粉親として多数の種子が形成された。また、イヌ
    タヌキモとオオタヌキ
    モは種特異的な葉緑体DNAタイプで識別されたのに対し、
    タヌキモの大部分はイヌタヌキ
    モ型の葉緑体DNAを持っていた。さらに、イヌ
    タヌキモとオオタヌキ
    モに認められた多数の種特異的なAFLPバンドのほぼ全てが、
    タヌキ
    モでも確認された。
     以上の結果から、1)
    タヌキモはイヌタヌキモとオオタヌキ
    モの雑種第一代である、2)
    タヌキモの形成はイヌタヌキ
    モ(種子親)×オオ
    タヌキ
    モ(花粉親)の場合が圧倒的に多い、3)雑種起源かつ不稔にも関わらず
    タヌキ
    モの遺伝子型は集団ごとに異なっており、多様な起源を持つ、ことが明らかとなった。
    タヌキ
    モ類の生育適地は明らかに異なり、それらが同所的に生育することは稀である。
    タヌキ
    モがいつ、どのように形成されたのかは不明だが、その後の分布拡大や集団維持には、旺盛な無性繁殖能力と雑種強勢による広範な適応能力の獲得が関与しているものと推察された。
  • 数の異常について
    原田 吉通, 小川 和久, 森 進一郎, 小林 繁, 久保 博英, 清末 徹治
    歯科基礎医学会雑誌
    1989年 31 巻 3 号 257-264
    発行日: 1989/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    九州北部地方で捕獲された年齢不明だが成年と推定されるホンド
    タヌキ
    179頭の歯数の異常について, 肉眼的観察とX線診査より調査した。その結果,
    1) 過剰歯は8頭において11歯認められ, 出現部位は上顎切歯部, 上顎第3小臼歯部ならびに上下顎の第1小臼歯部であった。
    2) 先天的欠如は35頭において58歯認められ, そのほとんどが上下顎の第1小臼歯と下顎第3大臼歯であった。
    3) 1頭に過剰歯 (上顎第2切歯部) と欠如歯 (下顎第3大臼歯) の各1歯ずつが同時に出現した例があった。
    4) 179頭における過剰歯の出現率は4.5%, 先天的欠如歯は約20%であった。
  • 小原 巌
    哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan
    1983年 9 巻 4 号 204-207
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    岡山県の中部および北部地方において, 1974~75年および1975~76年の狩猟期間中 (12~1月) に捕獲された
    タヌキ
    320個体の年齢査定を行い, 年齢構成を調べた。標本の数においては, 各年齢群とも雌雄間に差は認められなかった。最高年齢は雄ではAge class VI (5.5歳) , 雌ではAge class VIII (7.5歳) であった。年齢のM±SEは雄が1.18±0.10歳, 雌が1.20±0.11歳で, 両者の平均値に差は認められなかった。Age class Iに含まれる個体は, 全体の68.4%を占めていた。これまでに発表された他の個体群における例と比較すると, 岡山個体群では, 平均年齢が低く, 第1年目個体の割合が大きい点が著しく目立った。
  • 1. 下顎骨
    岡野 恒一
    歯科基礎医学会雑誌
    1974年 16 巻 1 号 32-36
    発行日: 1974/12/31
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    ホンド
    タヌキ
    については, 2, 3先人の局部的な研究はあるが, まだその全体について総合的に研究したものがない。そこで著者はその解剖学的, 組織学的ならびに組織化学的研究を進めているが, ここでは先ず下顎骨について得た所見を報告する。
    計測項目は37で, その計測値は統計学的に処理して表にまとめた。ただ同種または近縁の種類についての著者と同じようなdataがないのでそれらとの比較はできなかった。
    なお本研究で切歯縁高に個体差の著しいことが特徴的である。また下顎骨の形態についても2~3の観察を行ったが, やや興味ある所見を得ているので, 別稿で比較解剖学的に詳述するつもりである。
  • 荒木 悟
    植物分類,地理
    2000年 51 巻 1 号 31-36
    発行日: 2000/09/12
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    国内の
    タヌキ
    モは、
    タヌキ
    モ(狭義)とイヌ
    タヌキ
    モに分けられ、それぞれ独立種として扱われるか、あるいはイヌ
    タヌキモはタヌキ
    モ(広義)の一品種として扱われている。両者は花茎と殖芽以外の形態では酷似し、しばしば混同されてきた。本研究では、各地の集団について酵素多型分析をおこない、両者で異なる電気泳勳パターンを示す酵素を探索した。3酵素種について明瞭なパターンが得られ、このうちADHとPGIが両者の間で明瞭な違いを示した。ADHのバンド数が3なら
    タヌキ
    モ(狭義)、1ならイヌ
    タヌキ
    モ、PGIで2.1〜3.2cmの泳動距離を持つバンドがあれば
    タヌキ
    モ、なければイヌ
    タヌキ
    モである。これらは殖芽等がない場合に両者の識別に利用できる可能性がある。
  • 形態, 位置ならびに咬合の異常
    原田 吉通, 小川 和久, 森 進一郎, 小林 繁, 長本 伸哉
    歯科基礎医学会雑誌
    1992年 34 巻 5 号 467-480
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    九州北部地方で捕獲され成年と推定されたホンド
    タヌキ
    179頭 (オス68, メス53, 性別不明58) を対象に, 歯の形態について肉眼的観察ならびにX線学的調査をしたところ次のような結果を得た。
    1. 形態の異常
    上顎の両側第2大臼歯の矮小歯の症例 (メス), 上顎の両側の第1大臼歯が咬合面の形成異常歯でしかも両側の第2大臼歯が先天的に欠如した症例 (メス), またオスの上顎右側の第1小臼歯部の双生歯の症例 (オス) が認められた。
    2. 位置の異常
    上顎左側の第3小臼歯部において, 第3小臼歯が埋伏し同部に第2小臼歯と思われる過剰歯が萌出していた症例 (性別不明) が認められた。
    3. 咬合の異常
    上顎右側の第1切歯から左側の第2切歯にかけての反対咬合の症例 (メス) が認められた。
  • *亀山 慶晃, 大原  雅
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P3-131
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     水生植物は陸上の植物に比べると無性繁殖への依存性が強く、特に浮遊性の水生植物では植物体が断片化することによるラメット数の増加や、水鳥による長距離散布が集団の維持に大きな役割を果たしている。浮遊性の水生植物
    タヌキモはイヌタヌキモとオオタヌキ
    モの雑種第一代であり、有性繁殖能力は完全に失われているものの、広い範囲に、かつ両親種とは異なる生育地に分布している(Kameyama et al. 2005)。 本研究では、
    タヌキ
    モがどのように形成され、集団を維持しているのかを明らかにするため、北海道苫小牧市と青森県津軽平野の計33の湖沼から
    タヌキ
    モ類を採取し、AFLP分析をおこなった。その結果、1)
    タヌキ
    モ類3種の各集団は大部分が単一のクローンで形成されていること、2)各クローンは複数の集団に認められ、特に津軽平野の
    タヌキ
    モ5集団は全て単一のクローンであり、同一のクローンが苫小牧市にも分布していること、などが明らかになった。また、親種であるイヌ
    タヌキモとオオタヌキ
    モは完全に異所的に分布しており、両者の遺伝子型をどのように組み合わせても現存するF1雑種、
    タヌキ
    モの遺伝子型を得ることはできなかった。 これらの結果から、1)
    タヌキ
    モは気候変動が激しかった時代、本来は異なる環境に生育するイヌ
    タヌキモとオオタヌキ
    モが偶然出会ったことで形成され、2)殖芽や切れ藻による無性繁殖によって生き残ってきた、と考えられる。不稔の
    タヌキ
    モが長期間に渡って集団を維持している背景には、雑種強勢による旺盛な無性繁殖能力、水鳥による長距離散布、交雑による新たな環境への適応、などが関与しているものと推察された。
  • 金子 賢太郎, 丸山 將吾, 永野 治
    ランドスケープ研究
    2008年 71 巻 5 号 859-864
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2009/05/08
    ジャーナル フリー
    Our objective is to clarify the habitat of raccoon dogs (Nyctereutes procyonoides) that live in and around an urban park. From 2004 through 2007, we investigated the home ranges, resting sites and habitat preferences of fourteen raccoon dogs by using radio-telemetry around Showa Kinen National Government Park, Tokyo. The preference of the raccoon dogs for habitat categories was inferred from classifying the study area, which was divided into 1ha cells according to six habitat categories (woodland, grassland, turf area, woody urban area and woody park, urban area, bare area) . Almost all individuals preferred the woodland and grassland, avoiding the turf area, woody urban area and woody park, urban area and bare area all day. In addition they depended on the park and the vegetation areas around the park for their habitation. Twenty-one resting sites were found in the study area, and fourteen of them were in woodland or grassland. Home ranges of the twelve individuals included a part of the park. Nine of them had their resting sites outside of the park. These used the park only in the nighttime, mainly as feeding sites. We found that raccoon dogs living in and around the park didnt always have dependence on urban areas.
  • 斉藤 哲郎, 富田 精一郎, 池田 周二, 作本 台五郎, 頓宮 廉正, 村主 節雄, 板野 一男, 稲臣 成一
    岡山医学会雑誌
    1977年 89 巻 3-4 号 407-417
    発行日: 1977/04/30
    公開日: 2009/03/30
    ジャーナル フリー
    An investigation on the helminths of wild animals (Martes melampus, Meles meles, Mustela sivirica, Myocastor coypus, Nyctereutes procyonoides and Vulpes vulpes) caught in the systems of the Chugoku mountains of Hiroshima and Okayama prefectures was done from December in 1970 to October in 1974. The worms, genus Concinnum, were found from the pancreatic duct of Nyctereutes procyonoides, Martes melampus, Meles meles and Mustela sivirica.
    The parasitic rate of Concinnum in Martes melampus is 100% (the average number of parasites is about 3000), in Nyctereutes procyonoides 23.8% (40), in Mustela sibirica 20% (225) and in Meles meles 50% (9).
    The parasites were fixed with Schaudin's solution while compressed between slide glasses, stained with carmine solution and observed with the light microscope. All of the worms were identified with Concinnum ten (Yamaguti, 1939) Travassos, 1944 according to the measurement.
    The present paper is the first report showing that Concinnum ten was found from Meles meles and Mustela sibirica, and that these animals are also the natural final hosts of Concinnum ten.
  • *佐鹿 万里子, *阿部 豪, *郡山 尚紀, *前田 健, *坪田 敏男
    霊長類研究 Supplement
    2013年 29 巻 P-211
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/14
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】近年,エゾ
    タヌキ
    Nyctereutes procyonoides albusの地域個体数減少が報告されており,この原因として疥癬やジステンパーなどの感染症や外来種アライグマの影響が考えられているが,その原因は明らかとなっていない.そこで本研究では,エゾ
    タヌキ
    (以下,
    タヌキ
    とする)を対象に,ホンド
    タヌキ
    で集団感染死が報告されているイヌジステンパーウイルス(Canine distemper virus:以下,CDVとする)について疫学調査を行った.
    【材料と方法】調査地域は,2002~ 2004年に重度疥癬
    タヌキ
    が捕獲され,さらに
    タヌキ
    個体数減少も確認されている北海道立野幌森林公園を選定した.2004~ 2012年に同公園内で捕獲された
    タヌキ
    111頭において麻酔処置下で採血を行うと同時に,マイクロチップの挿入と身体検査を行った.血液から血漿を分離し,CDVに対する中和抗体試験を行った.
    【結果】CDVに対する抗体保有率は 2004年:44.4%,2005年:8.3%,2006年:14.3%,2007年:11.1%,2008年:7.7%,2009年:54.5%,2010年:8.3%,2011年:0%,2012年: 0%であった.また,同公園内では 2003年に 26頭の
    タヌキ
    が確認されたが,2004年には 9頭にまで激減し,その後,2010年までは 10頭前後で推移していた.しかし,2011年は 18頭,2012年には 16頭の
    タヌキ
    が確認され,
    タヌキ
    個体数が回復傾向を示した.
    【考察】抗体保有率は 2004年および 2009年に顕著に高い値を示したことから,同公園内では 2004年と 2009年に CDVの流行が起きた可能性が示唆された.また,2002~ 2004年には,同公園内で疥癬が流行していたことが確認されているため,同公園内では CDVと疥癬が同時期に流行したことによって
    タヌキ
    個体数が減少したと考えられた.
  • 佐々木 翔哉, 大澤 剛士
    保全生態学研究
    2022年 27 巻 2 号 275-
    発行日: 2022/10/25
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/10/25
    ジャーナル オープンアクセス

    タヌキ
    Nyctereutes procyonoidesは、東アジア地域に分布する食肉目イヌ科の中型哺乳類である。
    タヌキ
    は人間の生活圏の近くにも生息し、農業被害や衛生上の問題等の様々な問題を引き起こすことがある。近年では、日本の様々な地域の
    タヌキ
    個体群において、疥癬症が流行している。ヒゼンダニ類が寄生することによって生じる疥癬症は、宿主の健康状態を悪化させ、活動や生態等に様々な影響を与える。疥癬症が引き起こす影響の 1つとして、夜行性の野生動物が昼間に活動するようになることが知られているが、
    タヌキ
    におけるその定量的な報告はほとんどみられない。
    タヌキ
    の疥癬症を引き起こすイヌセンコウヒゼンダニはヒトやネコにほとんど寄生しないとされるが、感染した
    タヌキ
    の活動が昼間に行われることで、昼に屋外に出されることが多いイヌにイヌセンコウヒゼンダニが感染する可能性が高まるほか、
    タヌキ
    が持つ他の人獣共通感染症やダニ類などの寄生生物とヒトとの接触機会が増加する可能性がある。そこで本報告は、疥癬症に感染した
    タヌキ
    が生息する東京都西部の 4つの都市公園において、約 1年間のカメラトラップ調査を行い、疥癬症に感染している
    タヌキと健常なタヌキ
    の活動時間を定量的に比較した。その結果、疥癬個体は健常個体よりも高率で昼間に活動していることが示された。この結果は、疥癬症が実際に
    タヌキ
    の昼間の活動を引き起こしていることを示唆するものである。

  • 半田 ゆかり, 安田 宣紘, 阿部 慎太郎
    日本獣医師会雑誌
    2002年 55 巻 8 号 498-500
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    奄美大島のリュウキュウイノシシSus scrofa riukiuanus (イノシシ) で, 全身の脱毛あるいは苔癬化が著しい皮膚病が認められた. イノシシ2頭の病変部からは, 疹癬の原因となるセンコウヒゼンダニSarcoptes scabiei (ヒゼンダニ) が検出された. イノシシの皮膚病は1978年に瀬戸内町で初めて確認され, その後発生数が増加し, 発生地域も拡大した. 奄美大島で飼育されている豚に以前から疹癬が発生していたことから, イノシシに認められた疹癬は豚から感染したと考えられた.
  • *山内 健生, 江草 真治
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2005年 57 巻 B36
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/17
    会議録・要旨集 フリー
     広島県において野生の中型哺乳類および鳥類に寄生するノミ類の調査を行なった.その結果,6種の中型哺乳類(ムササビ,
    タヌキ
    ,キツネ,テン,イタチ類,アナグマ)から4種のノミ類(ネコノミCtenocephalides felis felis,ミカドケナガノミChaetopsylla mikado
    タヌキナガノミ
    Paraceras melis sinensis,ムササビナガノミMonopsyllus argus)を,さらに,スズメからCeratophyllus gallinae dilatusを採集した.これらのノミ類のうち,
    タヌキ
    ナガノミ,ムササビナガノミ,およびC. gallinae dilatusは中国地方初記録,そしてミカドケナガノミは広島県初記録である.また,比較的少ない寄生例として,イタチ類からネコノミを,そしてテンから
    タヌキ
    ナガノミとムササビナガノミを確認した.
  • *工藤勝裕、佐々木聖也(2年)
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 KP29
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    タヌキ
    モの飼育比較実験で、日向で飼育した個体は日陰で飼育した個体よりも一部枯死した数が多かった。また、細菌が捕虫嚢にいる個体は、いない個体に比べ一部枯死した数が多いという結果になった。
    これは、光障害によって
    タヌキ
    モから活性酸素が発生し枯死し始めたのではないかと考えた。
    そこで、今回、活性酸素を除去するためにペルオキシダーゼをいつ・どこで・誰が分泌しているのか突き止めた。なお、滅菌した
    タヌキ
    モと、
    タヌキ
    モの捕虫嚢から単離した細菌類2種を用いて実験を行った。
    その結果、
    タヌキ
    モ自身も、捕虫嚢内にいる細菌類1種も共に、捕虫嚢内で、活性酸素があると、しばらくしてペルオキシダーゼを分泌し始めることが明らかとなった。
    この結果から、
    タヌキ
    モ自身も活性酸素の分解が可能だが、捕虫嚢内に細菌類がいることで、一気に多くのペルオキシダーゼを分泌することができるので、日向でも生育が可能になることが分かった。
    昨年の研究も考慮すると、細菌類は棲家とエサの確保を
    タヌキ
    モに頼り、
    タヌキ
    モはエサの消化と活性酸素除去による光障害への対処を細菌類にも頼っているという共生関係が見えてきた。
  • 宮本 慧祐, 永野 有希子, 松林 尚志
    哺乳類科学
    2023年 63 巻 1 号 43-52
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/09
    ジャーナル フリー

    都市近郊に生息する

    タヌキ
    Nyctereutes procyonoides)は,繁殖および休息場としての樹林地,それに隣接する採食場としての農地が重要であると報告されている.しかし,特に農地への選好性は住民へのアンケートや聞き取り調査を基に広域スケールで環境選択性を検証した調査によるもので,実際に
    タヌキ
    の行動追跡を行って検証した事例は十分ではない.そこで本研究では,農地を多く含む都市近郊の東京農業大学厚木キャンパス周辺を調査地として,
    タヌキ
    8個体についてラジオテレメトリーを行い,日周性および季節性を考慮して環境選択性を調べた.その結果,夜間には,農地である畑は全ての季節で,樹林地とタケ・ササ地は一部の季節で正の選択性が認められ,都市近郊に生息する
    タヌキ
    にとって農地が重要な採食場所の一つであることが示唆された.また,日中の休息場に設置した自動撮影カメラによって,オス成獣の,ヘルパーの可能性がある個体が確認された.

  • 高槻 成紀, 谷地森 秀二
    哺乳類科学
    2021年 61 巻 1 号 13-22
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    これまで四国の

    タヌキ
    Nyctereutes procyonoidesの食性は情報がなかったが,高知県と周辺から得た67例の胃内容物をポイント枠法で分析した.ほかの場所と比べると昆虫が多く(全体の占有率25.7%),特に冬でも25.8%を占めた.果実は重要であったが,他の場所に比べれば少なく,最大で秋の30.4%であった.カタツムリ(ウスカワマイマイAcusta despecta)が春(19.3%)を中心に多かったことと,春にコメを主体とした作物が25.0%と多かった点は特異であった.

  • 高槻 成紀, 山崎 勇, 白井 聰一
    哺乳類科学
    2020年 60 巻 1 号 85-93
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル フリー

    人為的影響の少ない東京西部の裏高尾の

    タヌキ
    の食性を調べたところ,人工物は出現頻度5.0%,ポイント枠法による平均占有率0.4%に過ぎなかった.果実・種子が一年を通じて重要で,出現頻度(果実98.0%,種子93.1%),平均占有率(果実30.0%,種子25.7%)とも高かった.季節的には春は果実,種子,昆虫の占有率が20%前後を占め,夏には種子が36.7%に増加した.秋には果実が71.5%と最多になり,昆虫は微量になった.初冬には果実が43.2%に減り,種子が31.7%に増えた.晩冬は果実(15–35%),種子(15–25%),昆虫(20–30%)が主要であった.種子は晩冬のエノキ,春のキチイゴ属,夏のミズキ,秋のケンポナシ,初冬と晩冬のヤマグワと推移した.ヤマグワやサルナシは結実期と
    タヌキ
    による利用の時期が対応しなかった.

  • 平井 和光, 西田 弘, 岡田 尚久
    日本農村医学会雑誌
    1978年 27 巻 4 号 800-805
    発行日: 1978/11/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    愛媛県中部及び南部の各地にて捕獲されたイノシシ9頭,
    タヌキ
    37頭の肺臓を検索した結果, イノシシ22.3%(2頭),
    タヌキ
    5.4%(2頭) に肺吸虫の感染を認めた。
    これらから得られた虫体及び虫嚢内虫卵を形態学的に詳細に観察し, 成虫の卵巣, 皮棘及び虫卵の諸特徴から, 検出された全ての虫体は, 宮崎肺吸虫と同定された。
    よって,
    タヌキ
    を本吸虫の新たな自然終宿主として追加し, そして愛媛県における本吸虫の自然終宿主は, イタチに加えイノシシ,
    タヌキ
    が存在することが明らかになった。しかし, 感染
    タヌキ
    は本県中部からは1例も発見できず, サワガニの本虫メタセルカリア感染率の地理的分布とは一致しなかった。
  • 松本 郁実, 高島 一昭, 山根 剛, 山根 義久, 岡野 司, 淺野 玄
    動物臨床医学
    2011年 20 巻 1 号 13-17
    発行日: 2011/03/20
    公開日: 2012/04/04
    ジャーナル フリー
    (財)鳥取県動物臨床医学研究所は鳥取県中西部において保護される傷病野生鳥獣の治療を行っており,今回過去10年間に搬入された傷病野生鳥獣のうち,
    タヌキ
    に注目して疥癬罹患状況の調査を行った。
    タヌキ
    の保護要因としては,交通事故が原因と思われる骨折や外傷が多くみられたが,疥癬に罹患した
    タヌキ
    も2003年に初めて搬入され,その後も2005年2頭,2006年5頭,2007年4頭,2008年2頭の計14頭が搬入された。月別でみると,
    タヌキ
    の搬入頭数は3月と9月に多く認められたが,疥癬罹患
    タヌキ
    はそれらとは少しピークがずれた晩春や秋から冬にかけて搬入された。また,岐阜大学応用生物科学部の野生動物管理学研究センターに搬入された疥癬罹患
    タヌキ
    の傾向と比較したところ,当研究所および岐阜県の当該施設において,搬入された疥癬罹患
    タヌキ
    は2008年までは似た形で推移した。
  • 田原 研司, 板垣 朝夫, *藤田 博己, 角坂 照貴, 矢野 泰弘, 高田 伸弘, 川端 寛樹
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2006年 58 巻 B31
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/07
    会議録・要旨集 フリー
     新潟県において,
    タヌキから採集された雌雄成虫標本に基づいて原記載されたタヌキマダニ
    Ixodes tanuki Saito, 1964は,その後の長期間にわたって幼若期が不明のままであった.1979年になって,若虫期は野鼠寄生性の不明種Ixodes sp. NB by Ono, 1966に一致することが報告された.幼虫期については,Ixodes sp. LY ( = Ixodes sp. Y by Kitaoka, 1977; Ixodes sp. L2 by Takada et Fujita, 1978)が有力候補とされてきたが,形態的に酷似する不明種Ixodes sp. 7 by Asanuma et Sekikawa, 1952(後にヒトツトゲマダニIxodes monospinosus Saito, 1967の幼虫期と確定)と混同されていた時期もあって確定していなかった.われわれは2004年11月に,島根県の野鼠類からIxodes sp. LYを回収する機会を得たので,このうちアカネズミ由来の飽血個体について飼育観察を続け,2005年4月に脱皮した個体を
    タヌキ
    マダニ若虫と同定した.したがって,Ixodes sp. LYを
    タヌキ
    マダニの幼虫期と確定した.ちなみに,これまでにIxodes sp. LYの宿主として記録されてきた各種野鼠類が
    タヌキ
    マダニの宿主リストに正式に加わることになる.
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