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クエリ検索: "コナコーヒー"
17件中 1-17の結果を表示しています
  • *植村 円香
    日本地理学会発表要旨集
    2024年 2024s 巻 P078
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/19
    会議録・要旨集 フリー

    1.研究の背景と目的

     ハワイ島コナ地区で生産される

    コナコーヒー
    は,ブルーマウンテンと並び高品質・高価格のコーヒーとして消費地で認識されてきたが,1970年代には生産者不足により衰退の危機に直面した.その後,世界的なスペシャリティコーヒーブームが起きると,コーヒー農園経営に魅力を感じた新規参入者がアメリカ本土等から移住しコーヒー生産を始めたことで,
    コナコーヒー
    産地は回復した.

     しかし,2020年以降,COVID-19の拡大と葉さび病の蔓延により新規参入者を取り巻く環境が大きく変化したことから,

    コナコーヒー
    産地は転換期を迎えている.そこで本研究では,転換期における新規参入者の農業経営とその変化を明らかにすることを目的とする.そのうえで,各種データと関連づけながら,転換期における
    コナコーヒー
    産地の課題について考察する.

    2.

    コナコーヒー
    の概要

     

    コナコーヒー
    は,一般的に原料であるコーヒーチェリー(以下,チェリー)をコナ地区で収穫・精製し,一定の等級基準を満たした豆のことを指す(
    コナコーヒー
    の定義については,植村(2022)を参照されたい).2023年調査時点で,新規参入者が経営するコーヒー農園は約180存在し,そのうち約40がチェリー生産,精製,焙煎,販売まで携わるコーヒー関連企業等,約140がチェリー生産,精製・焙煎の全工程または一部,販売に携わる個人生産者である.このほか,既存の生産者が経営する農園が約400存在し,その多くが1900年代前後にコナに移住した日系移民の子孫であり,生産したチェリーをコーヒー関連企業等に販売している.

    3.転換期における新規参入者の

    コナコーヒー
    生産

     2023年3月と11月に新規参入者に対して,COVID-19の影響と葉さび病の被害に関する聞取り調査を実施した.COVID-19の影響では,メキシコからの収穫労働者不足が深刻化したことで,人件費を上げざるを得ない状況が,2023年11月調査時点でも続いていた.また,葉さび病被害では,豆の品質や生産量の低下がみられた.こうした人件費の上昇,豆の品質や生産量の低下により,既存の生産者が離脱する傾向が続いている.そのため,既存の生産者からチェリーを購入していた新規参入者の農園では,チェリー購入量の減少と買取価格の上昇がみられた.こうした転換期のなかで,新規参入者は,島内での収穫労働者の調達,

    コナコーヒー
    販売価格の引き上げ,葉さび病対策としての品種転換など農業経営を変化させながらコーヒー生産を継続していた.

    4.転換期における

    コナコーヒー
    産地の課題

     上述した農業経営の変化のうち品種転換は,

    コナコーヒー
    産地において風味が変化するという問題を孕んでいる.コナでは,1900年代以降,コナティピカという爽やかな酸味が特徴の品種が栽培されており,グルメコーヒーとして消費地で評価されてきた.しかし,コナティピカは,葉さび病に弱いことから,新規参入者はゲイシャなど葉さび病への耐性があると考えられる多様な品種への転換を急速に進めている.これらの品種は,コナティピカと異なる風味であることから,コーヒー卸売・小売業者のなかには,
    コナコーヒー
    の風味の曖昧化を懸念する者も存在する.

     品種転換が急速に進む背景には,葉さび病被害のほか,近年,コナ地区やハワイ州で開催されるスペシャリティコーヒーのコンペティションで,伝統的なコナティピカよりも斬新な風味が評価される社会的背景や,

    コナコーヒー
    の表示規定において,品種に関する規制がないという制度的背景も存在する.転換期に,新規参入者は多様な品種から「
    コナコーヒー
    」を生産し独自の風味を追求しているが,こうした傾向に対し
    コナコーヒー
    産地全体として「
    コナコーヒー
    」をどのように定義し風味を保持するかが課題となる.

    参考文献

    植村円香 2022. ハワイ島における新たな担い手による

    コナコーヒー
    生産とその課題. E-journal GEO. 17(1): 137-154.

    付記

    本研究は,JSPS科研費23K18728の助成を受けて実施した.

  • 植村 円香
    E-journal GEO
    2022年 17 巻 1 号 137-154
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/04
    ジャーナル フリー

    本研究では,ハワイ島における新たな担い手による

    コナコーヒー
    生産の実態とその課題を明らかにするとともに,彼らが
    コナコーヒー
    産地に与えた影響について考察することを目的とする.1890年代以降,コナでは日系移民がコーヒーの原料となるチェリーを生産し,島内の精製工場に出荷していた.しかし,1980年代以降に世界的なスペシャリティコーヒーブームが起きると,新たな担い手がコーヒー生産を開始した.彼らは,チェリーの生産,精製,焙煎を行い,豆を消費者等に販売していた.しかし,新たな担い手は,害虫被害によるチェリー生産量の減少などから豆の販売価格を上げざるを得ず,それが消費者離れにつながるという課題に直面していた.また,新たな担い手が産地に与えた影響として,彼らは衰退しつつあった産地の回復に貢献したが,従来とは異なる品種や精製方法を導入して独自の風味を追求することで,
    コナコーヒー
    の風味が多様化するという課題をもたらした.

  • *植村 円香
    日本地理学会発表要旨集
    2021年 2021s 巻 P026
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/29
    会議録・要旨集 フリー

    Ⅰ.研究目的

     ハワイ島の西部に位置するコナでは,1840年代頃から商業用のコーヒーが生産され,欧米移民によるコーヒープランテーション経営がなされた.しかし,コーヒー価格が低迷すると,1890年代に欧米移民は農地を小作人に貸し出したことで,コーヒー生産はプランテーション経営から家族経営へ転換した.このとき,小作人としてコーヒー生産に従事したのは,日系人(本発表では,日本移民とその子孫の総称とする)であった.

     日系人はコーヒーの品質向上に努め,コナのコーヒー生産を発展させてきたが,1960年代には高校卒業後に大学進学や他産業に従事するためにコナから転出する者が多くみられた.そのため,1970年代にはコナのコーヒー農園数・面積は停滞し,コーヒーは衰退傾向にあった.

     しかし,1980年代に世界的なスペシャリティコーヒーブームが起こると,コナではコーヒー農園数・面積,生豆価格ともに増加する傾向がみられた.日系人に代わってコーヒー生産を開始したのは,コーヒー会社のほか,アメリカ本土やヨーロッパからの移住者などの新規参入者であった.本発表では,日系人から新規参入者への担い手の変化に伴うコーヒー生産の変容を明らかにするとともに,コナのコーヒー産業を維持発展させるうえで新規参入者および生産地が直面する課題を指摘することを目的とする.

    Ⅱ.コナのコーヒー生産の変容

     1970年代まで,コナのコーヒーは,8月から12月にかけてコーヒーの原料となるコーヒーチェリー(以下,チェリー)を生産者が収穫し,島内の精製組合が生豆に加工し,消費地で焙煎業者が焙煎していた.日系人は,チェリーの生産や精製組合の運営のほか,剪定技術の改良,豆を乾燥させる干し棚の開発,生豆の等級制度の導入をすることでコナのコーヒーの品質向上に貢献してきた.こうして,コナで生産される「

    コナコーヒー
    」は,プレミアムコーヒーとして消費地で認識されるようになった.

     生産地名を冠するプレミアムコーヒーである「

    コナコーヒー
    」を,農園名を冠するスペシャリティコーヒーに転換させたのが,新規参入者である.彼らは,チェリーの収穫,精製,焙煎,販売の一貫経営を行い,インターネットを利用した販売のほか,農園見学に訪れた観光客向けに対面販売を行っていた.このように,新規参入者はコナのコーヒー産業の回復だけでなく,スペシャリティコーヒーブーム下でのコーヒー需要の対応に貢献していた.

    Ⅲ.新規参入者と生産地の課題

     2019年9月の調査時点で,コナには約600のコーヒー農園が存在する.そのうち,チェリーのみを収穫する農園が約420,一貫経営を行う農園が約180である.一貫経営を行う農園の経営主の多くは,新規参入者である.新規参入者のコーヒー生産の課題を明らかにするために,コーヒー栽培面積10ac以上の3農園(組織経営)と,コーヒー栽培面積9ac以下の2農園(家族経営)で聞き取り調査を実施した.その結果,家族経営の場合,農園のコーヒーからの粗収益は200万円程度であり,これはチェリーを精製工場に出荷する農園の粗収益と同等であることが明らかになった.

     このことから,新規参入者の収益性の向上が課題となるものの,近年では害虫被害によるチェリーの生産量の低下,チェリーの収穫労働者の減少と日当の上昇により,その克服が困難となっている.また,生産地レベルでは,生豆価格の上昇による偽「

    コナコーヒー
    」の流通という問題も生じており,「
    コナコーヒー
    」の規制強化も課題となっている.

  • ハワイ・コナコーヒーと100マス計算による検討
    *北見 由奈, 奈良 英侃
    日本健康心理学会大会発表論文集
    2020年 33 巻 P24
    発行日: 2020/11/16
    公開日: 2021/03/27
    会議録・要旨集 フリー
  • 経済地理学年報
    2022年 68 巻 1 号 118-125
    発行日: 2022/03/30
    公開日: 2023/05/19
    ジャーナル フリー
  • 経済地理学年報
    2019年 65 巻 4 号 382-
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/12/30
    ジャーナル フリー
  • 池田 真利子
    人文地理
    2023年 75 巻 3 号 276-281
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/08
    ジャーナル 認証あり
  • 地理学評論 Series A
    2022年 95 巻 5 号 348-350
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2024/03/16
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 達
    人文地理
    2023年 75 巻 3 号 313-319
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/08
    ジャーナル 認証あり
  • 伊賀 聖屋
    人文地理
    2023年 75 巻 3 号 256-262
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/08
    ジャーナル 認証あり
  • 小泉 やよい
    植物の化学調節
    2000年 35 巻 2 号 214-215
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
  • 高畑 公紀
    植物の化学調節
    2000年 35 巻 2 号 213-214
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
  • 鷲尾 久蔵
    熱帯農業
    1961年 5 巻 2 号 6-13
    発行日: 1961年
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    Radopholus属の線虫のうち, Rice-root nematodeと呼ばれるR.oryzaeはジャバのイネから発見され, VAN BREDA DE HAAN (1902年) によつてTylenchus oryzaeとして報告された線虫であり, ジャバでは本種についてはmentekと呼ばれているイネの病害との関連性において長い間, 試験が行なわれ、てきている.VAN DER VECHT and BEAGMAN (1952年) は両者の関連性について一連の試験を行ない, この線虫の分布と量とがmentek病の発生と相関が無いことを報告している.同氏等によればR.oryzaeの卵は4-5日で孵化し卵から産卵雌成虫になるまでの期間は1ヵ月以上をこえないといわれる.また寄主植物については24種の雑草の根から検出し, そのうち16種はかやつり草科に, 6種は禾本科に属していた.
    静岡農試の調査によればRadopholusは灌漑水によって伝播され, 乾燥に対しては強くないものの如く, 福島農試 (1960年) の調査によっても棲息数は湿田が最も多く, 半湿田・乾田になるに従って減少し, Eh6との関係については, 還元状態の強い水田に寄生数が多くなる傾向をみとめている.Radopholus属の線虫は若い根の表皮から組織中に侵入し, 根の柔組織内を移動して細胞を破壊し, 線虫が産出する毒素によって細胞の中毒をおこし根を腐敗させるといわれている.したがつて静岡農試の調査結果にも見るように1株に数100-1000匹余の線虫が寄生している株では, 全くイネの生育に影響がないとは考えられない。
  • 松宮 邑子
    人文地理
    2023年 75 巻 3 号 249-255
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/08
    ジャーナル 認証あり
  • オアフ島・マウイ島・ハワイ島
    島野 安雄
    地下水学会誌
    2003年 45 巻 2 号 216-216_1
    発行日: 2003/06/10
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 経済地理学年報
    2020年 66 巻 2 号 217-221
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
  • 受賞者の声
    電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
    2014年 7 巻 4 号 376-383
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2014/04/01
    ジャーナル フリー
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