この報告は,第2報の方法を改良したものである。すなわち,乗算器および積分器2組を作って,演算結果を直接XYレコーダーに画かせるようにした。
処理する帯域は0.5-1.OHz,0.07-0.14Hzの2通りについて,数十例の地震についてテストした。その結果は次のとおりである。
(1)XYレコーダー上で震央方位を直読できた.この方法で求めた震央方位は,P波初動から求めた方位に ことさら劣ってもいなかった。
(2)処理する帯域について,0.5-1.OHzは近地地震に適し,0.07-0.14Hzは遠地地震に適する。
(3)推定方位は,震央が北東にある地震の多くで,P波初動から求めた場合も,XYレコーダーから求めた 場合も,真の方位よりは左に偏っていた。
(4)PP波もP波と同じような振動の特性を示す。ただし,振動方向はP波よりは偏る。
(5)震央方位計の実用化が考えられる。
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