日本食品科学工学会誌
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膜乳化法によるW/O食品エマルションの調製条件
加藤 良浅野 祐三古谷 篤外山 一吉冨田 守小此木 成夫
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1997 年 44 巻 1 号 p. 44-49

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抄録

疎水化多孔質ガラス膜を使用した膜乳化法による食品W/Oエマルションの調製において,膜細孔径,連続相粘度,乳化剤濃度,食塩濃度,連続相循環流速,乳化圧力などの乳化条件を変えてエマルションを調製し,膜細孔径と分散粒子径の関係,エマルションの単分散性に影響を及ぼす因子などについて検討した.
(1) 油脂にトウモロコシ油,乳化剤にポリグリセリン縮合リシノレート.水相に食塩水を用い単分散W/Oエマルションを調製した.
平均分散粒子径(Dp)は膜平均細孔径(Dm)に比例し,
の関係にあった.
また,油相にケロシンを混合し,連続相粘度を小さくするとDp/Dmは小さくなった.
(2) 単分散エマルションの生成には,乳化剤濃度,食塩濃度,連続相循環流速,乳化圧力(乳化速度)などが影響しており,これらの条件を適切な範囲に設定する必要があった.
(3) 膜乳化法によるW/Oエマルションの調製を食品工業で実用化するためには乳化速度を高める検討が必要である.

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