民間機ミュージアム

B747 当初は中途半端な性能

 名機も最初から名機だったわけではない。747は元が軍用機だけに、当時の最新テクノロジーを投入してはいたが、民間機としての経済性を追求した機体ではなかった。初期型の747-100は機体の重量に対してエンジン出力が足らず、吸気温度を下げる水噴射装置を追加して、無理やり燃焼効率を上げざるを得なかった。しかも、航続距離はおよそ1万キロで、太平洋、大西洋を越える長距離路線では使いにくい中途半端なものだった。このため、ボーイング社は、1970年に燃料搭載量を増やして航続距離を2割強伸ばした747-200型を開発。このほか、デッキ後部の客室を貨物室に改装した貨客混載バージョンの747-200Mや、必要に応じて旅客仕様、貨物仕様、貨客混載に変更できるコンバーチブルタイプの747-200C、短距離でも旅客需要の大きい路線向けに機体構造や降着装置を強化し、離着陸の繰り返しに耐えられるようにした747SRなど、エアラインの個別事情に応じた機種を次々と送り出した。

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