零式艦上戦闘機 写真特集


 広島県呉市の大和ミュージアムに展示される零式艦上戦闘機六二型。太平洋戦争末期の1945(昭和20)年春から量産が始まった戦闘爆撃機タイプ。胴体下に250キロ爆弾用ラックを標準装備し、増槽タンクは200リットル入り2個を両翼下に振り分けて搭載できるようにした。胴体の構造を強化し、爆撃の精密性を高めようとしたものの、250キロ爆弾用ラックは艦上爆撃機のようにプロペラの回転圏外に爆弾を投射する装置ではなく、ピンポイントを狙った急降下爆撃はできなかった。

 武装は機首に7.7ミリ機銃と13ミリ機銃を各1丁、主翼内に20ミリ機銃と13ミリ機銃を各2丁備えていたが、生産途中に機首の機銃は廃止された。エンジンは当初、燃焼効率を上げる水エタノール噴射装置を備えた「栄三一型」を装備する予定だった。ところが、同装置の開発に失敗し、従来型の「栄二一型」と性能、構造ともほぼ同じ「栄三一甲型」が搭載された。戦争末期の混乱で生産機数について確実な資料は残っていないが、終戦までの数カ月で500機程度は製造されたとみられる。写真の機体は、終戦間際に琵琶湖に不時着して湖底に沈んでいたが、78(昭和53)年に引き揚げられて修復された(2012年05月26日) 【時事通信社】

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