ギリシャ、ロックダウンの延長決定、小売業は予約販売制を導入

(ギリシャ)

ミラノ発

2020年12月18日

ギリシャ政府は12月12日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、11月7日から導入している2度目のロックダウン(2020年11月11日記事参照)を2021年1月7日午前6時まで延長することを発表した(注1)。同期間中、一部の例外を除いて引き続き外出制限が敷かれるほか、午後10時から翌日午前5時までは外出禁止となる(注2)。また、外出時はSNSや定型書式での申告が義務付けられている。なお、食料品店など一部を除いて営業販売活動は全面的に停止となっているが、美容院や理髪店(注3)、書店などは12月14日から営業が可能となった。

ロックダウン下での制限措置により、国内では電子商取引(EC)の利用が急増、宅配業者がその需要に応じきれなくなっている。また、小売販売業への救済措置として政府は、12月13日から2021年1月7日までの間、小売店の予約制販売を許可する方針を打ち出した。「クリックアウェー」と呼ばれるもので、オンラインや電話で事前に購入し、受け取り日時に店外で商品を引き取る形式(一般的にクリック・アンド・コレクトと呼ばれる)となっている。

アドニス・ゲオルギアデス開発投資相は予約制販売を導入する小売店に対し、一部の業種を除き店頭での営業販売活動は引き続き禁止されていることを強調するとともに、これらの業種については政府の経済支援を継続することを約束した。

一方、アテネ商工会議所のスタブロス・カフニス会頭は国営放送EPTで、「小売店の営業が認められていない現状での予約制販売は、小売り販売の補完的な方法にすぎず、完全なオペレーションに取って代わることはできない」と業界の続く窮状を訴えている。

(注1)当初は11月7日から3週間のロックダウン実施を予定していたが、複数回延長している。

(注2)11月13日から午後9時~翌日午前5時を外出禁止としていたが、今回、外出禁止開始時間を1時間繰り下げた。

(注3)マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、完全予約制などの措置が必要となる。

(井上友里、山崎杏奈)

(ギリシャ)

ビジネス短信 03088cdb822cac2e