日本共産党

2002年7月19日(金)「しんぶん赤旗」

口利き資料はムネオ資料ではなく宮路資料

関口赤旗編集局長が取材経緯を語る


 関口孝夫赤旗編集局長は十七日、日本共産党愛媛県委員会が松山市で開いた党創立八十周年記念の夕べで記念講演を行いました。関口局長はこの講演のなかで、いま国会で話題となっている宮路和明前厚生労働副大臣の帝京大総長への口利き資料について、鈴木宗男衆院議員が持っていた資料の写真を赤旗記者が入手した、と一部の新聞・テレビで報道されていることにふれて、その経緯を語りました。概要を紹介します。

 二月上旬、赤旗社会部は、外務省NGO問題で“時の人”となっていた鈴木宗男議員(前衆院議院運営委員長)の本会議場での動静を撮影した写真のなかに注目すべき一枚をみつけた。帝京大学医学部への裏口入学を口利き、あっせんする内容が読み取れる資料を手にする後ろ姿だった。ところが裏付け取材がすすむなかで、この資料の書き込みサインの「北山」「鈴木」が、宮路議員の秘書名であることが分かった。

 そこで二人の赤旗記者が宮路事務所で北山崇史政策秘書に面会し、問題の写真資料のコピーをみせるなどして宮路氏と鈴木氏との関係をただした。

 北山秘書は一連の取材にたいし、(1)これは宮路事務所の資料にまちがいないこと(2)冲永荘一総長に連絡できるのは宮路議員以外にいないこと(3)冲永総長からの電話は北山氏が受けてメモにしたこと――などの詳細を語り、「鈴木議員はかかわっていないこと」を強調した。

 赤旗記者は、宮路議員に面会を求めたが拒否された。

 しかし、七月十一日、参院厚生労働委員会でこの問題をただした小池晃議員への答弁やその後のマスコミへの弁明で、宮路氏本人の口から「資料は自分が本会議場に持ち込んだ際、撮影された」ことを自覚している旨の発言があった。鈴木氏本人には確認はとれないが、写真の撮影角度などを本会議場で検証した結果、鈴木議員とやや離れたところに位置する宮路氏が手にした資料であり、カメラのわずかな振りで偶然撮影されたものであることがほぼ疑いないものとなった。

 こんどの宮路資料の発覚はこのようにまったくの偶然で、はからずも国民の前に露呈される形となったが、厚生労働副大臣宮路氏の職務権限下の医学部入試口利き問題は深刻な内容をはらんでいる。しかも、北山秘書ははっきりと「宮路・冲永電話」を証言しているのに当の宮路氏は「覚えていない」といいはり、冲永氏に至っては文部科学省の調査にたいし、宮路氏側の行為いっさいを「なかった」と否定し、「それならば宮路氏は何のために厚労省副大臣を辞めたのか」という根本にかかわる事態を招いている。

 小泉内閣がこれほどの重大な疑惑をたなあげして、ただ医療改悪法案の強行成立のみに突き進もうとしていることは、もってのほかといわざるをえない。

 


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