高さ18メートルの実物大ガンダムを実際に動かす――そんな夢のようなプロジェクトが、ついに実現しようとしている。舞台は港湾都市・横浜の山下ふ頭。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に、ガンダムが動き出す。
実物大ガンダムを動かすプロジェクト「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」は、14年に始動。当時の発表会で、ガンダムシリーズの富野由悠季監督は「ようやく、絵空事で考えていたものが形になる」と喜んでいた。
「ガンダムを動かす」といっても、実際に歩くのか、腕や首が動くだけなのか、映像と組み合わせた特別な演出を考えているのかなど、その詳細は明らかになっていない。
公式サイトによると、世界中から募集したアイデアを基に、それらを1つのプランに集約。基本設計から実施設計、検証実験を重ね、ついに製作段階へ突入しつつあるようだ。
プロジェクトメンバーを見ると「リアルスケールのガンダムを本気で動かそうとしている」のが伝わってくる。11月21日にアップデートされた情報と共に、壮大なプロジェクトを本気で実現すべく集まったメンバーたちを詳しく見ていきたい。
同プロジェクトは横浜市と連携し、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」として20年から1年間実施する予定。プロジェクトには富野監督の他、国内外のロボット研究者や映画監督、クリエイターらが参加する。
プロジェクトリーダーとして技術監修を務めるのは、早稲田大学の橋本周司名誉教授と、中京大学工学部のピトヨ・ハルトノ教授。橋本名誉教授は早稲田大学ヒューマノイド研究所所長を務めた経験があり、ロボティクスやヒューマンインタフェースを専門としている。ハルトノ教授は、ニューラルネットワークのロボットへの応用などを研究しているという。
動くガンダムの設計は、役割ごとにディレクターが就く。全体設計、安全設計、メカ設計は、「建機ロボット化」の研究をしてきた石井啓範さんが担う。石井さんは、日立建機で双腕作業機「ASTACO」や4脚クローラ式移動機構などを開発した。
システム設計や制御を担当するのは、アスラテック取締役 チーフロボットクリエイターの吉崎航さん。ロボット制御システム「V-Sido」開発者で、水道橋重工の「クラタス」など多くのロボット制御に関わっている。
空間設計や、ガンダムを動かす際の演出は、乃村工藝社のクリエイティブディレクター 川原正毅さんが務める。エンターテインメント施設やキャラクターコンテンツを活用した集客空間づくりに従事し、映像・造形・照明などさまざまな演出手法を複合的に組み合わせた空間を作り出すという。
これらのことから、実物大ガンダムは「腕や足などが動く(歩く?)」「映像や照明と合わせた演出がある」ことが予想される。
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