ライブドアのポータルサイトが7月3日、リニューアルした。従来は「Yahoo!JAPAN」を強く意識したデザインだったが、新ポータルはデザインを一新。ブログやソーシャルネットワーキングサイト(SNS)などユーザーが作るメディア、いわゆる「CGM」(Consumer Generated Media)を前面に押し出した。ヤフーを追いかけ、巨大ポータルを目指していた“ホリエモン時代”の幕を引き、次世代のポータルのビジネスモデルを模索する。
新ポータルは、「ホーム」「ニュース」「ブログ」の3種類をタブで切り替えられる構造。ホームは従来のポータルと似た作りだが、ニュースがサイトの最上部に出てくるようにするなど“Yahoo!的”なデザインから脱し、独自性を出した。
「ニュース」は、最新ニュースをテーマ別に掲載して随時更新。マーケット情報もチェックできるようにした。「ブログ」はその名の通り、ブログの情報に加え、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「フレパ」、画像共有サービス「livedoor PICS」など、同社のCGM系サービスから注目の情報を逐次ピックアップして掲載する。
「以前はYahoo!型の総合ポータルを目指していたが、アクセスが伸びなかった」と同社の伊地知晋一副社長は語る。Yahoo!型とは、プロが編集したコンテンツを一方的に発信するポータル、という意味だが、「情報量・編集力ともにヤフーの強さに全く及ばない」と認める。
編集コンテンツのページビュー(PV)が伸び悩む一方、CGM系は急激に伸びているという。ライブドアサイトへの全アクセスのうち半分、月間約10億PVがブログから。次にアクセスが多いのが、フレパやPICSなどブログ以外のCGMコンテンツという。
同社は「ヤフーと同じ手間ひま、コストをかけて編集コンテンツを伸ばすより、今伸びているCGMをさらに伸ばした方が効率がいい」と判断。CGMへの注力を決めた。最終的には、CGMに絞ったポータルを構築したい考えだが、今回のリニューアルでは「折衷案」として、従来型の「ホーム」と、ニュースを集めた「ニュース」を残した。
最初からCGM一本に絞れなかったのは、CGMには大企業の広告が入りにくく、ビジネス化しにくいため。事件後、同社への広告出稿は激減したが、それでもポータルやニュースの方が広告メニューとして人気が高いといい、この2つで広告収入を稼ぎながら、CGMのビジネスモデルを模索する。
「CGMの広告ビジネスがきちんと成り立っている例は、世界を見てもほとんどない。これを考え付いたらインターネットのノーベル賞もの」。伊地知副社長はCGMビジネスの難しさと直面しながらも、あえて挑戦していきたいと語る。
ブログなど、ユーザーが自由にコンテンツをアップできるCGMは玉石混交。どんな内容が掲載されるか予測が立たず、著作権など権利侵害が起きるケースも多い。広告主に不利な内容の意見が載る可能性も高く、ブランドを大切にする大企業は広告を出したがらない(関連記事参照)。
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