新しいIoTデバイスの実用化のためにバッテリーの開発を加速――ソフトバンクが「次世代電池Lab.」を公開(1/4 ページ)

» 2021年11月09日 18時00分 公開
[小山安博ITmedia]

 ソフトバンクは11月2日、次世代電池に向けた3つの新技術を開発したことを発表した。同社は今後も次世代電池の研究/開発を継続し、従来よりも高密度かつ高容量なバッテリー(充電池)の実用化に結び付けたいとしている。

 同社は11月3日、「次世代電池」への取り組みを説明するイベントを栃木県宇都宮市の「ソフトバンク次世代電池Lab.(ラボ)」で開催した。この記事では、その模様をお伝えする。

次世代デバイスの実現には「次世代電池」が欠かせない

 ソフトバンクは2018年から「リチウム空気電池」の開発に取り組んでいる。リチウム空気電池は、大容量バッテリーにおいて現在主流の「リチウムイオン電池」と比べると、理論上のエネルギー密度が数倍に達する。

 高密度バッテリーをコンパクトに作れるようになれば、ドローンやハイエンドロボットなど、次世代のIoTデバイスをより実用的に動かせるようになる。電気自動車も、同じ容積でより走行距離を伸ばすことができる。同社の立場であれば、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」や次世代の移動通信システム「6G」の実現に向けたキーデバイスの1つともいえる。

次世代デバイス 次世代のIoTデバイスをより実用的にするために、リチウム空気電池の実用化は欠かせない

次世代電池の実現に向けた検証を加速

 ソフトバンクでは社内の体制を強化しつつ、物質・材料研究機構(NIMS)とも協業してリチウム空気電池の実現に向けた研究/開発活動を続けてきた。そして2021年3月、同社はリチウム空気電池を始めとする次世代電池の早期実現を目指して、ソフトバンク次世代電池Lab.を開設することを発表した。

 2021年6月、次世代電池Lab.はエスペックの「バッテリー安全認証センター」内に開設された。エスペックは電子機器や工業製品の環境への影響を調べる「環境試験器」において世界有数のシェアを持つ企業で、試験器の開発などを通して培ったノウハウを生かした各種試験の受託でも定評がある。

ソフトバンク次世代電池Lab. 2021年6月に開設された「ソフトバンク次世代電池Lab.」
エスペック 次世代電池Lab.は、エスペックの「バッテリー安全認証センター」(宇都宮試験所に併設)内に開設された
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年