トーンモバイルの新スマホ「TONE e19」登場 石田社長「iPhone1台分の価格で3世代使える」あんしんAI機能もアップデート

» 2019年02月14日 18時12分 公開
[田中聡ITmedia]

 トーンモバイルが2月14日、MVNOサービス「トーンモバイル」向けスマートフォンの新製品として「TONE e19」を発表。3月1日に発売する。価格は1万9800円(税別)。前モデル「TONE m17」の発売から約1年半ぶりの新機種となる。

トーンモバイル 新機種「TONE e19」を手にする石田宏樹社長

 TONE e19は、トーンモバイルが海外のODMメーカーと開発したオリジナルスマートフォン。機能や通信などの仕様が、トーンモバイルのサービスに最適化されている。OSはAndroid 8.1をプリインストール。共同開発したメーカーは非公表だが、石田宏樹社長によると、初号機と同じメーカーだという。

トーンモバイル TONE e19
トーンモバイル サイズは約73.1(幅)×153.6(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量は約167.5g。
トーンモバイル 薄く、丸みを帯びたボディーなので持ちやすい

 TONE e19のコンセプトは「極めてシンプルだけど、素晴らしい機能を備えたモデル」と石田氏は話す。

 ディスプレイは5.93型で解像度は720×1512ピクセル、アスペクト比は19:9と縦長になった。プロセッサはSnapdragon 450(8コア)、メインメモリは3GB、内蔵ストレージは32GB。最大256GBのmicroSDXCも利用できる。4000mAhのバッテリーを内蔵する。カメラはアウトが1200万画素+500万画素のデュアル仕様で、インカメラが800万画素。

 富士通コネクテッドテクノロジーズと共同開発したTONE m17は、おサイフケータイや防水、ワンセグに対応するのが特徴だが、メインメモリが2GB、内蔵ストレージが16GB、バッテリー容量が2580mAhで「現役世代が使うには非力な部分がある」と石田氏。e19はFeliCaや防水には対応しないが、スマホの基本スペックを向上させ、「m17と比べて、通信速度と端末の動作を含むパフォーマンスが約3倍アップした」(石田氏)という。

トーンモバイル これまで販売してきたTONEのスマートフォン
トーンモバイル m17とのスペック比較

 石田氏は「グローバルスタンダードも追求した」と言い、LTEと3GのDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)にも対応させた。これは国内で他社のSIMを使うというより、海外で現地のSIMを利用することを想定している。SIMのサイズはnanoSIM。

 セキュリティ機能にもこだわり、生体認証は指紋認証と顔認証の2つに対応する。トーンモバイルは、指紋認証と顔認証に失敗したときにPINコードを入力するという3段階のセキュリティ設定を推奨している。万が一PINコードで不正にロック解除されたときのために備え、各アプリを起動する際に生体認証を必要とする設定も用意した。

トーンモバイル アプリごとに生体認証の設定が可能になった

 「ODMのチームが頑張りすぎた」(石田氏)ことから、価格は1万9800円にまで抑えることができた。これはiPhone XS(64GB)5.7台分の価格とし、「iPhone(XS)1台分の価格で、子ども、シニア、その家族の3世代分をまかなえる」と石田氏は力説する。

トーンモバイル 「iPhone XS(64GB)が5.7台買える」と石田氏はアピールする
トーンモバイル 標準のホーム画面に加え、子どもむけとシニア向けのホーム画面も用意
トーンモバイル パッケージにスマホを置くだけでトラブルを検知する「置くだけサポート」と、コールセンターから遠隔で端末を操作して設定を行う「遠隔サポート」にも対応する

 今後、トーンモバイルのAndroidスマートフォンはTONE m17とTONE e19の2製品で展開。iPhoneについては、iPhone 5s以降で使えるTONE SIM(for iPhone)を提供する。販路も拡大し、トーンモバイルの製品を扱う「カメラのキタムラ」店舗を、現在の15店舗から2019年5月まで33店舗に増やす。

トーンモバイル
トーンモバイル
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トーンモバイル
トーンモバイル
トーンモバイル

「TONEあんしんAI」をアップデート

 TONE e19の発売に合わせ、ユーザーの安全を守る「TONEあんしんAI」をアップデートする。TONEあんしんAIは、独自アプリ「TONEファミリー」向けに提供されているAI機能。トーンのサービスが使えるスマホを持ったユーザー(子ども)の行動を学習し、位置情報や行動を分析することで、子どもの見守りやスマホ利用の制御などを可能にする。

 新バージョンでは、事前に設定した場所に子どもが訪れると保護者が通知を受け取れる「ジオフェンス」を強化。子どもが過去に訪れた場所をもとに、AIが設定する場所をオススメできるようになる。場所ごとにアプリをロックする「ここだけアプリロック」機能も追加する。例えば塾では全てのアプリを使用禁止にし、学校ではSNSだけを使用禁止にする、といった運用ができる。

トーンモバイルトーンモバイル 機械学習によって、子どもがよく行く場所や、よく使うアプリ、Webサイトなどを提案してくれるので、制限を掛ける参考になる

 子どもが歩きスマホをしているかどうかを確認する機能には、「どの場所で歩きスマホをしているか」も分かるようになる。その際に、親が子どもに注意したり、歩きスマホをしたことのある場所に入ったらスマホをロックしたりする設定も可能になる。

 TONEあんしんAIの新機能はTONE e19で利用できる他、TONE m17とTONE m15、TONE SIM(for iPhone)も、TONEファミリーアプリをアップデートすることで対応する。TONE SIM(for iPhone)については、3月に提供されるアップデートで、上記の新機能が利用できるようになる。ただしm15とTONE SIM(for iPhone)では、ここだけアプリロックは利用できない。ちなみに、TONE e19は、TONEあんしんAIの機能にフル対応することから、「AIフォン」というコードネームだったという。

 スマートフォンにおけるAIはカメラや情報収集などで主に活用されているが、トーンモバイルでは「AIの開発資源は100%、安全安心に寄ったところにつぎ込んでいく」と石田氏。SNSに起因する被害児童のアクセス手段としてスマートフォンが増えている現状を変えるべく、同社はAIで「スマホが子どもを守る」社会を作れるよう尽力していく。

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