コストコが2021年中に日本で新たに3倉庫店(以下、倉庫店を店あるいは店舗と表記)をオープンするというニュースが、多くの人の関心を集めました。20年7月に開店する木更津店を合わせると、21年には日本で30店舗を展開することになります。
コストコが日本進出してから21年。1年間に1店舗以上の出店を着実に続け、日本市場の中で影響力を増しています。当初は業務用大型スーパーのような位置付けだったコストコが、今や日本人女性から、自宅の近くにもっとも欲しい店舗と評されるまでに成長したのはなぜでしょうか?
小売・サービス業として消費者に支持され続けるための肝を、流通小売業のコンサルティングに約30年関わってきた筆者が、マーケティングの視点から分析していきます。
コストコビジネスの始まりは1993年、米国のコストコ社とプライスクラブ社の合併によって生まれました。合併前のプライスクラブは76年、カルフォルニア州サンディエゴにある飛行機の格納庫を改造して作られた「プライスクラブ」という名前の倉庫店が始まりです。一方のコストコは83年に最初の倉庫店をワシントン州シアトルにオープンしました。
コストコは米国内おいて創業後わずか6年未満で売り上げをゼロから30億ドル(約3200億円)までに達成させた最初の会社となりました。その後、「コストコ」と「プライスクラブ」が合併して1つの会社になり、「プライスコストコ」という名で206店舗を出店し、年間160億ドル(約1兆7000億円)を売り上げるまでに成長しました。99年にコストコホールセールコーポレーションという社名に変更され、今のコストコの成長へとつながっています。
現在、コストコは世界第2位の小売業に成長しています(1位はウォルマート、3位はアマゾン)。コストコ全体の売り上げはすでに16兆円を超え、10年前と比べて2倍になっています。まるでIT企業のような成長率です。
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