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小林よしのり
2019.1.15 09:19日々の出来事

SPA!に抗議に来た女子大生は危険だ

ネットニュースで「ヤレる女子大学生RANKING」を
めぐって抗議した女子大生グループがSPA!編集部と
話し合いをしたという記事を読んだ。

もともと「ギャラ飲み」の特集記事の中の企画らしいが、
「ギャラ飲み」なんかに参加している卑しい女性がいる
のだろう。
女子大生は未成年と強調しても、だったら「ギャラ飲み」
なんかに参加するなと言いたい。
卑しい行動をしている女性がいるから、「ヤレる、ヤレない」
という見方を男がするんだ。

編集部では「女性をモノとして扱う視点があった」と
反省したらしい。
これを言い出したら、風俗記事の全てが成り立たない。
グラビアアイドルを人格として見ている男なんかいる
はずがない。

この表現はよく見られるが、女性誌だって男性をモノと
して扱ってないか?
「抱かれたい男、ベストテン」とか、「抱かれたくない
男、ベストテン」は男性の人格を完全無視して、性欲の
対象になるかどうかだけで、ランク付けされている。
「抱かれたくない男」を実名で発表するのは名誉棄損に
なりかねないほどの問題ではないか?

けれど、女性誌にとっても、そんな企画は「遊び」だろう。
モノ扱いされた男にとっても、「遊び」と思ってネタに
することで、済ませているのだ。

最近は特に「イケメン」とか「ブサメン」とか、顔だけ
で男を話題にする女性は異様に多いが、あれは男性を
モノとして扱っているのではないのか?
抗議した女子大生たちは「イケメン」という言葉で、
男性を品定めしたことはないのか?

最近は筋肉好きの女性が多くて、女性のプロレスブームも
男の人格や尊厳よりも、モノ扱いで欲望を発散している
例だし、テレビで平然と男の胸板を触っている女性を
何度でも見たが、あれはモノ扱いじゃないのか?
女性の胸を触ったら犯罪だよな?

最近は男性をカネがあるか否かだけで評価している女性
は多いが、あれは人の尊厳を無視した唯物的な男性観で、
モノ扱いも同様ではないのか?

そういう「遊び」を一切許さない社会って、そんなに好ま
しい社会なのか?
抗議している女子大生は、外国と比較するが、先進国でも
実は女性差別は消滅していない。
イスラム社会では女性器切除などの風習が残る国だって
あるのだが、そういう風習に対してもこれから戦っていく
のか?
外国にまで発信し、外圧を利用しておいて、まさか日本国
だけの完全男女平等を目指してるんじゃあるまいな?

一番、不愉快なのは、「廃刊して「消す」のではなく」
ネットニュースの記事には見出しがつけられているが、
この女性グループの代表はこう述べているのだ。
「追及が甘いという意見もあるかもしれない。ただ、私
たちは廃刊にして問題を消して終わりにしたいのではない」
恐ろしい言葉である。
「廃刊」という選択肢もあったが、と脅しているのだ!
この女性代表は、「雑誌の廃刊が問題の解決だとは思って
いません」と、やたら「廃刊」を口にしている。

SPA!には何十人もの作家・表現者が執筆しているのに、
その執筆者たちは、彼女たちの眼中には全くないのだ!
「女性の権利向上」だけが最高価値になっていて、
「正義」を背負った使者の身分になっている態度は、
まるでポルポト政権的な全体主義を感じる。

彼女たちは「言論の自由・表現の自由」の価値を全く
分かっていない。
「思想・表現・言論の自由」は、民主主義の根本である。
「女性の権利向上」のためには、他の表現者など、
巻き添え食って消えてしまえと思う性根があるのだ。
「廃刊」「廃刊」と、この女性らが口にするたびに、
執筆しているわしは恐怖を感じて、「脅迫」としか
捉えられない。

わしは「ヤレる女子大学生RANKING」はマズいと
思っている。
実名で書いたから名誉棄損の恐れが出てくるのだ。

だが、この出版不況の中で、SPA!が真面目な雑誌に
なれば売れなくなるのは必定だ。
実名で名誉棄損をしないように注意しながら、過激で
ふざけた企画は絶対に続けて欲しい。
社会には「ふざけた遊び」の場だって必要なのだ。

「女性の権利向上」には賛成するが、わしにとっては、
「表現の自由」の価値の方がはるかに重い!
国会の法務委員会で、「共謀罪」に反対したのも、
「言論・表現・思想の自由」を守るためだ。
一つの記事が過剰だったというだけで、「廃刊」と言い出す
リベラル・ヒステリーには徹底抗戦しなければならない!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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