「政府の欠格条項見直しで、63制度はどう変わった」


2011年8月現在
資格免許 現/旧 被後見 被保佐 心身 視覚 聴言 精神 取得後 見直し結果
全廃
栄養士免許               全廃。
         
調理師免許               全廃。
         
製菓衛生師免許               全廃。
         
検察審査員               全廃。
         
医師国家試験・予備試験の受験               全廃。
   
歯科医師国家試験・予備試験の受験               全廃。
   
地域伝統芸能等通訳案内業免許               相対的欠格を含む5条を削除(全廃)。
         
風俗営業の許可         「精神病者」を不許可対象から削除。取得後欠格は、成年被後見人、被保佐人に関するもの。
     
風俗営業の営業所の管理者         「精神病者」を不許可対象から削除。
     
風俗営業の許可基準に係る調査業務         「精神病者」を不許可対象から削除。
     
公営住宅への単身入居               2005年、三障害ともに、必要な介護を得られるならば「常時介護必要」でも単身入居を認めるよう見直した。2011年、地域主権関連法成立に伴い6条を削除した。
         
改良住宅への単身入居               公営住宅法を準用
         
「視覚」「聴覚」「精神」など、特定の障害については削除
薬剤師免許     ●○ 聴覚言語障害について、絶対的欠格を削除。視覚障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
  ●○
義肢装具士免許         聴覚言語障害について、絶対的欠格を削除。視覚障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
臨床検査技師・衛生検査技師免許         聴覚言語障害について、絶対的欠格を削除。視覚障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
毒物劇物取扱責任者             視聴覚言語障害と「色盲」について欠格条項を削除。精神障害への絶対的欠格を相対的欠格に。
       
特定毒物研究者の許可             視聴覚言語障害と「色盲」について欠格条項を削除。精神障害への相対的欠格を継続。
       
国家公務員の就業禁止           精神障害者の就業禁止規定10−4第24条2項は削除。人事院規則10-8(船員)では、「精神障害」という言葉を「心身に故障のある」に変更、自傷他害のおそれによる就業禁止という点は継続。
         
一般労働者の就業禁止           「労働安全衛生規則」で、精神障害により自傷他害のおそれがある者の就業を禁止してきた条文は削除。「精神または身体の機能の障害により…」等として免許(例:クレーン運転)ごとに規定した。雇入時色覚検査を削除。
         
絶対的欠格を相対的欠格に
外国人の上陸制限             2004年通常国会で「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者又はその能力が著しく不十分な者で、本邦におけるその活動又は行動を補助する者として法務省令で定めるものが随伴しないもの」に該当する外国人は日本に上陸できないという内容で成立した。
           
放射性同位元素又はこれに汚染された物の取扱い並びに放射線発生装置の使用の制限         精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。
       
放射性同位元素等の使用、販売等の許可         精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。
       
警備員の制限       精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。
     
警備業の認定       精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。
     
警備員等の検定資格       精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。
     
警備員指導教育責任者・機械警備業務管理者       精神障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。*このうち、「警備員指導教育責任者」の資格は、警備関係の他の資格とは異なり、「精神の機能の障害」への欠格条項を適用しない。
     
歯科技工士免許         視覚障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
        ●○
歯科衛生士免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
診療放射線技師免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
医師免許   ●○ 視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
  ●○
歯科医師免許   ●○ 視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
  ●○
言語聴覚士免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
救急救命士免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
保健師、助産師、看護師又は准看護師免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。
      ●○
通訳案内業免許           精神障害者への絶対的欠格を相対的欠格に。
         
船舶乗務のための身体検査基準       てんかん、精神は、絶対的欠格を相対的欠格に。不合格、乗組禁止としてきたものを、作業を適正に行え、病勢悪化のおそれがないかという基準に変更。
     
視能訓練士免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。法改正試案では、聴覚・言語を「必要な機能」に指定しない方向だったが、その後制定した施行規則では含めた。
      ●○
臨床工学技士免許       視聴覚言語障害について、絶対的欠格を相対的欠格に。精神障害への相対的欠格は継続。法改正試案では、聴覚・言語を「必要な機能」に指定しない方向だったが、その後制定した施行規則では含めた。
      ●○
検査基準の見直し「実際上、操縦や運転に支障がなければ…」
海技従事者国家試験(一般船)       身体検査基準は実質的運動能力による評価に変更。小型船舶操縦士は、補助手段を講ずることで、乗り組む船舶の操縦に支障がないと認められればよい。
     
動力車操縦者運転免許     身体検査基準を見直し、運転に支障がある障害がないことを基準にした。
   
水先人免許     身体検査標準表を見直し、業務を行うに差し支える重い疾病又は身体機能の障害がないことを基準にした。
   
無線従事者免許     免許交付の基準見直し。設備操作に支障がない場合には免許を交付するが、限定条件がある。
   
航空機乗り組のための身体検査基準         身体検査基準の見直し。
       
建設機械施工の技術検定           技術検定受検欠格の見直し。建設業法施行令の欠格条項は存続。
         
衛生管理者・作業主任者・クレーン等の運転免許     「労働安全衛生法」・「労働安全衛生規則」。精神・身体機能の障害ゆえに、ある作業(例:揚貨装置の操作又はその周囲の状況確認)を適正に行えない者への相対的欠格を継続。「コンサルタント」は被後見・被保佐欠格。
   
相対的欠格を継続
理学療法士・作業療法士免許           精神障害への相対的欠格を継続。
         
理容師免許           精神障害への相対的欠格を継続。
         
美容師免許           精神障害への相対的欠格を継続。
         
あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゆう師の免許           精神障害への相対的欠格を継続。
         
麻薬の輸入等に係る免許         精神障害への相対的欠格を継続。
       
医薬品等の一般販売業等の許可         精神障害への相対的欠格を継続。
       
医薬品等の製造業等許可         精神障害への相対的欠格を継続。
       
薬局開設許可         精神障害への相対的欠格を継続。
       
けしの栽培許可       ●○ 精神障害への相対的欠格を継続。
      ●○
柔道整復師免許           精神障害への相対的欠格を継続。
         
火薬類取扱い         「知的障害者、精神病者」という言葉を「精神の機能の障害」に改めた。
       
海技試験制度(自衛艦)       「身体の障害」を「身体の故障」に表現変更。詳細について、防衛庁に重ねて問合せたが、回答なし。
     
対象範囲を追加
家畜人工授精師免許   ●○ 視聴覚言語精神機能の障害および「上肢の機能の障害」を記述に加えた。旧法は、「精神または身体に障害があり業務に支障のあるもの」への相対的欠格で、旧医師法などとは異なっていた。
    ●○
獣医師免許   ●○ 視聴覚言語精神機能の障害および「上肢の機能の障害」を記述に加えた。旧法は、「精神または身体に障害があり業務に支障のあるもの」への相対的欠格で、旧医師法などとは異なっていた。
    ●○
制限対象範囲を拡大し、厳密に規定。細かく厳しい検査や制限の新設
鉄砲又は刀剣類所持に係る許可           精神、てんかん、そううつなどを対象に厳しい制限。道交法に近似。
         
指定射撃場の設置者及び管理者           精神、てんかん、そううつなどを対象に厳しい制限。銃刀法改定に準拠。
         
狩猟免許     精神、てんかん等について、絶対的欠格を相対的欠格に。四肢・体幹障害については補助手段に言及。道交法に近似。
   
その他
自動車等の運転免許     精神、てんかん等については絶対的欠格から相対的欠格へ。免許交付更新 申請書に病状申告欄を新設。臨時適性検査を受検しない場合は免許の取消し、停止を新設。 適性検査の視力・聴力基準自体は変更がないが、2008年から、聴力基準を満たさない人に特定後写鏡免許を新設。
    ●○

表の記号、略語について
絶対的欠格
相対的欠格
「未」 未定
「現」 現在施行されている法令
「旧」 障害者欠格条項に関する最新の見直し以前の法令(ほぼ、2000年〜2002年より以前)
被後見 成年被後見人
被保佐 被保佐人
心身 法令では、具体的に障害や病気についてあげていないもの、あるいは、視聴覚言語精神以外の障害や病気についてあげているもの。
聴言 聴覚・言語障害
精神 精神障害、精神病
取得後 資格や免許等の取得後の欠格条項があるもの(この表にあがっているもので、 現在施行されている法令において絶対的欠格があるのは、成年被後見人、被保佐人への欠格)


戻る