よくある質問(エルニーニョ/ラニーニャ現象)

そのほか

1997/98年のエルニーニョ現象は20世紀最大といわれていますが
エルニーニョ現象の規模とは何かがはっきりしないため、どの現象が最大規模か決めるのは困難です。エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差は、1997年12月に+3.6℃を記録し、1950年以降で最大となりました。
エルニーニョ現象と地球温暖化は関係があるのですか
1990年代前半に、太平洋赤道域東部の海面水温偏差が正の状態が長く続きました(気象庁の定義では、1991年春〜1992年夏がエルニーニョ現象発生期間となっています)。地球温暖化の影響の可能性を指摘する調査結果がある一方、自然変動だけで十分説明できるとする調査結果もあり、必ずしも、研究者の間で意見が一致しているわけではありません。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書によれば、多くの地球温暖化予測実験モデルで、温暖化したときの平均的な海面水温の昇温は、太平洋赤道域東部の方が西部に比べて大きく、エルニーニョ時に見られるようなパターンになると予測されています。しかし、数年おきに発生するエルニーニョ現象のモデルによる再現性はあまりよくないため、温暖化したときにエルニーニョが今より頻発するかどうか、規模が大きくなるかどうかについて結論はでていません。
エルニーニョ現象と台風は関係があるのですか
1951年から2005年の期間を対象として、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間とそれ以外の期間(以下、「平常時」と呼ぶ)で統計的に有意な差が見られるかどうか調査した結果、以下の傾向が見られました。

エルニーニョ現象発生時

  • エルニーニョ現象の発生期間の7〜9月は、台風の発生数が平常時より少ない傾向がある
  • 台風の発生位置が、平常時に比べて南東にずれる傾向がある(夏は南に、秋は南東にずれる傾向がある)
  • 夏、最も発達した時の台風の中心気圧が平常時よりも低い傾向がある
  • 秋、台風の発生から消滅までの寿命が長くなる傾向がある

ラニーニャ現象発生時

  • 台風の発生位置が、平常時に比べて西にずれる傾向がある(夏は北に、秋は西にずれる傾向がある)
  • 秋、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向がある

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