もう1つの“緊急事態”安倍首相が「テレ東」だけに出演したワケ

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午後9時48分、六本木のテレビ東京着

「首相動静」を辿ってみると、

 同8時8分まで、記者会見。午後8時34分、官邸発。午後8時45分、東京・神南のNHK着。報道番組に出演。午後9時31分、同所発。

 ここまではお約束。しかし、

 午後9時48分、東京・六本木のテレビ東京着。報道番組に出演。

 となるのだ。メインキャスターは大江麻理子。脇を固める解説キャスターから、WBSの建てつけだ。首相はこのあと他局をハシゴすることはなかったことから、もはやテレ東の快挙と言えそうな首相生出演だが……。

「そんなにビックリですかね。総理はかなり気合が入っていましたね。経済対策のことを訴えたいという点からWBS一択だったと思いますよ」

 と、官邸関係者。

「そもそも、チャンネルとしては5と6はない。国政選挙と違い、官邸側も公正公平を意識する必要はありませんから。ネガティブな質問が来そうな局を避けるなら『4、7、8』になるわけだけど、繰り返しになりますが、経済という視点を最優先した結果です。あと、強いていうなら、キャスター陣が穏やか、優しい、個性的すぎない、というところでしょうか。大江さんは政界で根強い人気があるんですよ」

 安倍首相は番組で自身の健康状態を聞かれたが、官邸での会見でも同様の質問をテレ東記者から受け、こう話していた。

〈私自身は感染しないようにできるだけ手洗いをしながら、あるいはまた、免疫力を維持するために睡眠、なかなか睡眠を完全に取ることはできないのですが、なるべく睡眠の時間を確保したいと思っています。生活のリズムを守るという意味においては、私はまだ食事を取る時間がないものでありますから、まだ食事をしていないのですが、なるべく規則正しく生活していくということも大切なのかなと、こう思っています〉

「私は寝てないんですよ」発言で世間の猛バッシングを浴びた雪印乳業の集団食中毒事件を反面教師にしたわけではないだろうが、揚げ足を取られない、盤石の受け答え、見事な切り返し。

 テレ東での生出演はいわばホームゲームのような心地よさだったのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月10日掲載

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