多彩な料理を誇る中国では作り方も多彩に!中華料理の切り方をご紹介/ホームメイト
多彩な料理がある中華料理は、食材の切り方もいろいろな方法が考案されてきました。包丁は基本的に「菜刀(ツァイタオ)」という中華包丁のみ。「菜刀」は肉や野菜などを切る薄刃、魚をおろすときなど、やや硬い素材を切るのに適した「中厚刃」、鶏肉の骨などを切る「厚刃」があり、用途に合わせて使い分けます。どの切り方をするときも、手首の動きと包丁の重みを生かして切るのが特徴。「奥へ押し、手前へ引く」という和包丁の動かし方とやや異なります。
それでは、中華料理の切り方について具体的にご紹介しましょう。
中華料理の切り方いろいろ
日本料理と同様の形に切り分ける物から中華料理独自の切り方まで、代表的な物をいくつかピックアップしました。
- 末(ムォ)
- ミンチ状にする物で、中華料理のみじん切りのなかで最も細かい切り方。1~2mm角程度に細かく切り刻みます。下味や香味に使う野菜を切るときなどに行ないます。「小米(シャオミィ)」とも書きます。
- 鬆(ソン)
- やや粗めのみじん切りのこと。チャーハンなど、食材を細かく切りながらも食感を生かしたいときなどに使います。「粒(リー)」、「米(ミー)」とも書きます。
- 丁(ディエン)
- 日本料理で言う「さいの目切り」のこと。縦横1cm程度の形に揃うよう切ります。スープの具を切るときなどによく使われます。
- 方(ファン)
- 小さな正方形の薄切りにすること。日本料理の「色紙切り」に相当します。にんじんなど丸い形の物は周りの丸みを切り落とし、四角柱の形にしてから薄く切っていきます。ひし形の薄切りは「象眼(シャンイェヌ)」と言います。
- 絲(スー)
- 「糸のように切る」という意味でせん切りのこと。適度な長さに整えることで、調理中に材料が折れにくくなります。青椒肉絲をはじめ、様々な料理に使われます。
- 条(ティヤオ)
- 拍子木切りのこと。長さ4~5cmに揃えた材料を厚み1cm程度に切り、さらに幅1cm弱に切っていきます。短冊切りよりやや厚みがあります。
- 片(ピェヌ)
- 薄切り。タケノコや白菜の芯の部分など、固い素材に火が通りやすくなるよう薄くそぐように切ります。
- 塊(コワイ)
- 大きめの乱切りのこと。煮物の具材などを切るときに使う方法で、ひと口サイズに切るのが目安。
- 段(トワヌ)
- ネギなどの細めの素材をぶつ切りにすること。
- 兎耳(トウアル)・馬耳(マーアル)
- くさび形に切ること。にんじんを乱切りするときのように、素材を回しながら切り分けます。長さ2cm程度の物は馬耳、5cm程度の物は兎耳。
- 扇子(シァヌズ)
- いちょう切りのこと。半月型に切った物をさらに半分に切った形にします。
- 竜(ロォン)
- じゃばら切りのこと。付け合せのキュウリなどに施します。片側から等間隔で斜めに切り目を入れていき、裏返して互い違いになるよう切り目を入れます。切った物を塩水に付けて蛇腹(じゃばら)状に整えて飾ります。
- 紋(ウェヌ)
- 素材の片面に細かな切り目を編目状に入れる物で、日本料理の「かのこ切り」のこと。味が浸みやすくなるなどの利点があります。
- 仏手(フォレォウ)
- 素材をひと口サイズの四角形に切り、端を少し残して切り目を4本入れ、指先を広げた掌のような形に切る方法。中華料理ならではの切り方です。