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【北の富士コラム】四つ相撲の霧馬山に押し出しで負けた貴景勝は深刻…妙な意地を張らずに悪いところは徹底的に治すべき

2021年9月14日 05時00分

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貴景勝(右)が押し出しで霧馬山に敗れる

貴景勝(右)が押し出しで霧馬山に敗れる

◇13日 大相撲秋場所2日目(両国国技館)
 2日目はテレビ観戦。十両の土俵は幕内から落ちてきた連中がどうしても多くて、新鮮味に欠ける。新十両北青鵬が休場したのが惜しまれる。私は北青鵬は北海道出身の力士と考えているので残念でならない。幸い番付は十両に据え置かれるようなので一安心。炎鵬の相撲が見られないのもさびしい限りであった。
 幕内の土俵は初日よりうんと良くなっているような気がする。照強と宇良の一番は見応えがあった。照強は元小兵力士宇良に対し、強烈な張り手を浴びせ宇良の低い体勢を起こしにかかる。照強の張り手に宇良の顔面が血に染まる。場内は女性ファンの悲鳴が上がる。
 勝負に対する宇良の執着心は並々ならぬものがあるが、照強の旺盛な闘争心に根負けしたようで、持ち前の粘り強さを封じられてしまった。小さな体で幕内上位で暴れている照強が一枚も二枚も上回っていたようだ。
 それから本日一番印象に残ったのは琴ノ若である。優勝経験者であり大関に目前にまで迫った実力者、大栄翔を堂々と押し出して破ったのだからたいしたものである。私は大栄翔に一方的に押されるだろうと読んでいたが、反対に琴ノ若が押し出したのには驚きである。どうやら先場所の12勝の大勝ちで自信を付けたようだ。そしてこの日の一番でさらに自信を深めたことだろう。
 心配なのは貴景勝である。四つ相撲の霧馬山に押し出しで負けたのだから深刻である。頭で当たっているが前に出られない。だから苦しくなって引いて墓穴を掘る。最悪のパターンである。やはりどこか悪いのだろう。あるいは本当に弱くなったのだろうか。妙な意地を張らずに悪いところがあったら徹底的に治すべきである。
 さて本日のメインイベント、照ノ富士対豊昇龍の一番。勢いに乗っている豊昇龍が仕切り中も目をそらさず気の強いところを見せつける。私も若いころ、大鵬関や柏戸関と対戦したが、とてもまともに顔を見られなかったものだ。
 対する照ノ富士は実に淡々と受け流す。さすがである。その冷静さが取り口に表れた。ある程度相手の変化も頭に入っていたかのように右に少し動いた豊昇龍をすぐに右四つに捕まえる。左の上手は浅い。右半身になろうとする豊昇龍だが、照ノ富士の攻めは鋭く速い。下手投げを放ったが動ずることなく体を寄せ、しっかりと胸を合わせて寄り倒した。全く危なげない相撲であった。とても新横綱とは思えない落ち着きである。この調子だととても負けるような気がしない。
 あと13日間もあるのに優勝が決まったかのように書いては相撲協会とNHKに叱られそうなので、3日目からは照ノ富士の一番は控えさせてもらいます。
 さて北の富士カレーの件ですが、なかなか好評です。私と同じくカレーうどんにして食べた人がいました。細いうどんによく絡んで絶品とのことでした。このところ私はカレーは作っていません。今はすっかり「ナスとキュウリ」にこっています。特にナスはうまい。煮ても焼いてもうまい。なすのカレーも試食しましたが「日光の手前」今市でした。
 今から夕食を作ります。少しひんやりしてきたのでニシンの三平汁を作ります。最近料理の本を買いました。特に和食の良さを再認識しています。余計な話になって申し訳ありません。(元横綱)
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