国語教科書の中の「日本」

石原 千秋

なぜ「古き良き日本」ばかり
教材になるのか?

「グローバル化」と「伝統」の間で転換期を迎える国語教育は、日本という感性を押し付ける教育装置になっていないか? 小中学校の教科書をテクストに検証する。

国語教科書の中の「日本」
  • シリーズ:ちくま新書
  • 836円(税込)
  • Cコード:0237
  • 整理番号:806
  • 刊行日: 2009/09/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:978-4-480-06512-4
  • JANコード:9784480065124
石原 千秋
石原 千秋

イシハラ チアキ

一九五五年東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程後期中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学教授を経て、現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石から村上春樹までテクスト分析による斬新な読解を提供しつつ、国語教育への問題提起も果敢に行っている。著書に『漱石と三人の読者』(講談社現代新書)、『漱石はどう読まれてきたか』『秘伝中学入試国語読解法』(いずれも新潮選書)、『謎とき 村上春樹』(光文社新書)、『『こころ』大人になれなかった先生』(みすず書房)、『読者はどこにいるのか』(河出ブックス)、『小説入門のための高校入試国語』(NHKブックス)、『教養としての大学受験国語』『大学受験のための小説講義』『国語教科書の思想』『国語教科書の中の「日本」』『大学生の論文執筆法』(いずれもちくま新書)ほか。

この本の内容

「グローバル化」と「伝統重視」という相反する二つの流れの中で大転換期を迎える国語教育は、無意識のうちに「日本」という感性を押し付ける教育装置になってはいないか?本書では、「古き良き日本」ばかりが描かれる小中学校の教科書を詳細にテクスト分析することで、書かれた言葉の裏に隠されたメッセージを読み解く。国語教科書批評の最前線を提示する。

この本の目次

第1章 「日本」という内面の共同体(「日本」という枠組から見えるもの
「日本」はどのように姿を見せるか
空疎な「日本」/ねじれる「日本」)
第2章 自然を内面化すること―小学国語(動物は「他者」だろうか
小学国語にこそ哲学がある)
第3章 家族的親和性を内面化すること―中学国語(「似ている」ことを教える
バラエティーがある小説群)
第4章 『国語教科書の思想』その後(なぜ「国語教育」は「道徳教育」だと言い続けるのか
自由に読むことと「気持ち」を問うこと)

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