集英社「ジャンプ+」が広告売上の50%を漫画家に還元 「業界を夢のある場所に」

    連載をしている漫画家に感想を聞いた。

    集英社のマンガ雑誌アプリ「ジャンプ+」は9月21日から、同サービスのオリジナル連載作品に入る広告売上の50%を漫画家に還元することを発表した。

    【ご報告】 9月21日(金)より、オリジナル連載マンガに入る広告売上の50%を漫画家さんに還元します!漫画家さんの収入はこれまで原稿料と印税が中心でしたが、さらに広告売上を還元することで、新たな収入源が増え、制作環境が安定し、ひいては読者の皆様に届ける物語が質・量ともに増えていく→

    ジャンプ+は2014年にスタートしたサービス。オリジナル連載のほか、少年ジャンプの作品、過去の作品などをアプリ内で読むことができる。

    公式Twitterの発表によれば、オリジナル連載作品に入る広告売上の50%を漫画家に還元するとのこと。

    漫画家に原稿料と印税に加え、新たに収入が増えることで、「制作環境が安定し、ひいては読者の皆様に届ける物語が質・量ともに増えていく」としている。

    また、「漫画業界をこれからも夢のある場所にするべく、今後も新たな環境作りに励んで参ります」とした。

    「ボーナスが加算される感覚」漫画家の反応は

    この発表に漫画家の反応はどうか。

    ジャンプ+で「アビスレイジ」などを連載している成田成哲さんは、BuzzFeed Newsの取材に「大変嬉しいです」と喜びをあらわにする。

    「作家にとってはボーナスが加算される感覚に近いです。ただ冷静に言うと、ジャンプ+に限らず、広告モデルの一般論として『広告単価が凄く高く、広告料だけで製作費すべて賄える』とまでは難しいと思っています」

    「なので現状、原稿料・単行本印税という柱は変わらず、それに次ぐ補助的なボーナスが増えて嬉しいぐらいの温度感でしょうか。作品の閲覧がそのまま収入に繋がるというのは、作品を無料公開するWEB雑誌においては凄く合理的だな、と感じました」

    一部では、「今まで還元していなかったのか」など指摘する声もあるが、どう考えるか。

    「これまでジャンプ+では読者に配慮して、基本的にオリジナル漫画に関してアプリ上で広告掲載をしていませんでした。還元しようにも、そもそも読者を思って広告が存在しなかったのです」

    「今回、ジャンプ+が広告掲載に踏み切ったのは、アプリ上での広告掲載がユーザーに与えるストレスが想定より大きくないという調査結果と、広告掲載によって得られる作家へのリターンが大きい、というのが主な理由だと思います」

    「今回は作家に配慮しての決定だと思いますが、『今まで還元していなかったのか』と勘違いしてる方がいるので、この事実は早く広まって欲しいです」