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マクロン仏大統領が就任、歴代最年少-国民の分裂回避目指す

  • 主要課題の1つはフランスに自信を取り戻すこと-就任演説
  • グローバル化と開かれたフランスから誰もが恩恵を受ける社会へ

5月7日のフランス大統領選決選投票で勝利したエマニュエル・マクロン氏(39)が14日、歴代最年少で就任した。大統領選では経済の低迷や治安面の懸念を背景に、極右・国民戦線(FN)のルペン氏が同党候補として過去最高の支持を得るなど、過去半世紀で世論が最も割れた中でマクロン氏は国のかじ取りを担う。

  第5共和制で8人目の大統領に就任したマクロン氏はエリゼ宮での就任式で演説し、自身の主要課題の1つは「フランスに自信を取り戻すことだ」と表明した。

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マクロン大統領夫妻(5月14日)

Photographer: Stephane De Sakutin//AFP via Getty Images

  マクロン氏は仏大統領としてアウトサイダーとインサイダーの両面を持つ。現代の仏大統領選で同国ニ大政党の支持を得ないで当選したのはマクロン氏が初めてで、政治に新しい顔と解決策を求める有権者から追い風を受けた。その一方でマクロン氏は、オランド政権で経済・産業・デジタル相を務めており、政権の内部事情にも深く通じている。

  大統領選決選投票ではマクロン氏が66%の得票率でルペン氏(34%)を抑えて勝利した。得票率の差は、ルペン氏の父親が臨んだ2002年の決選投票以来最大とはいえ、今回の結果には有権者の意見の分裂が隠されている。世論調査によると、マクロン氏に投票した人の半分以上は、ユーロ圏離脱や貿易の保護主義、移民流入阻止といった政策を掲げるルペン氏の当選を阻止するためだったと回答。4月23日の第1回投票では有権者の半分前後が、ルペン氏を含め欧州連合(EU)など国際組織とのフランスの関係見直しを主張する複数の候補者を支持していた。

  マクロン氏はパリ市庁舎でのスピーチで次の5年間の課題について、「成功を広め、機会を拡大し、誰もがグローバル化と開かれたわが国から確実に恩恵を受けるようにして、国の分裂を回避することだ」と述べた。

原題:Macron Takes Charge of Divided France as Youngest President (3)(抜粋)

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