日本の「H2A」ロケット、打ち上げ成功 初の月面着陸目指す

Japan's H-IIA rocket carrying the national space agency's moon lander launched from the Tanegashima Space Center on 7 September

画像提供, Reuters

画像説明, 日本初の月面着陸を目指す探査機「SLIM」を搭載した国産の「H2A」ロケットが7日、種子島宇宙センターから打ち上げられた

日本初の月面着陸を目指す探査機「SLIM」(スリム)などを搭載した、国産の「H2A」ロケットが7日、打ち上げに成功した。

午前8時42分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。

打ち上げから約14分後にX線天文衛星「XRISM」(クリズム)、その約33分後に月探査機「SLIM」をそれぞれ予定の軌道に投入した。

H2Aロケットの打ち上げは天候不良により3度延期されていた。

日本は探査機の月面着陸を目指している。成功すれば、アメリカ、ロシア、中国、インドに次いで5カ国目となる。

8月23日にはインドの無人月面探査機「チャンドラヤーン3号」が、世界で初めて月の南極に着陸した

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Presentational white space

日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月探査機「SLIM」は通称「ムーンスナイパー」と呼ばれる。

順調にいけば、月の表側(地球側)にある「Shioli」(しおり)クレーター付近から100メートル以内に着陸する予定。先行の着陸機は、着陸予定地点から数キロから数十キロの間に着陸してきた。

探査機は打ち上げから4カ月以内に月の軌道に入る。1カ月間、月の周りを周回した後、来年2月に着陸を試みる。

JAXAによると、SLIMの総開発費は149億円(5月1日時点)。今回のミッションは、軽量かつ低コストの宇宙船を月に着陸させる能力を実証するもの。

JAXAと米航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)が共同開発したXRISMは、バス1台分の大きさの望遠鏡を備えた衛星。地球の周回軌道に投入され、ブラックホールなどの宇宙現象の研究を行う。

昨年11月、JAXAは日本の月探査機「OMOTENASHI」(オモテナシ)との通信が途絶えたとして、月面着陸の実施を断念した。

打ち上げ失敗続いた末に

日本は昨年10月に小型ロケット「イプシロン」、今年3月にH3の打ち上げに失敗している。

今年7月には、小型ロケット「イプシロンS」の2段エンジンの地上燃焼試験中に爆発が起きた。

また、4月には、東京の宇宙ベンチャー企業「ispace」(アイスペース)の月面探査計画「HAKUTO-R」の着陸船の通信が途絶えた。月面に衝突した可能性が高いという。