ロシア空軍基地へのドローン攻撃はロシア国内から=ウクライナ国防省情報総局長

Explosions seen during drone attack on Pskov

画像提供, EPA

画像説明, ロシア北西部プスコフへのドローン攻撃で複数の軍用機が損傷した

ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は9月1日、ロシア北西部プスコフの空港で8月29日夜から30日未明にかけてあったドローン(無人機)攻撃について、ロシア国内から出撃したものだったと明らかにした。ブダノフ氏は、攻撃を仕掛けたのがウクライナ人か、あるいはロシア人かは明らかにしなかった。

ブダノフ情報総局長は8月31日、ウェブサイト「War Zone」に対して、「我々はロシア領内から活動している」と述べた。使用したドローンの種類や数については明らかにしなかった。

ブダノフ氏によると、この攻撃で輸送機「イリューシン76」2機が破壊され、2機が損傷した。ロシアは4機が損傷したとしている。

同氏は、ドローンは輸送機の燃料タンクや、翼の桁(けた)の重要部分が位置する機体の上部を狙ったのだと説明した。

プスコフへの攻撃について、ウクライナ当局者はこれまでにすでにBBCに、ウクライナによるものだと認めていた。

ウクライナ国境からプスコフまでは700キロ近くあるため、これまでウクライナが使用する武器の射程距離についてさまざまな憶測がされていた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は31日夜、定例の動画演説で、「ウクライナ製の新しい兵器は今や700キロメートルだ」と述べていた。

ドローン攻撃で被害を受けたロシア軍機は、長距離貨物機だった。軍の部隊や装備品の長距離輸送に適しているため、ロシアにとっては貴重な軍用資産になっている。

ウクライナ当局は総じて、ロシアでの攻撃については口を閉ざしている。しかし、ドローン攻撃が活発化するにつれ、それらがウクライナによる戦争行為の一環だと認める姿勢を、以前より見せるようになっていると、BBCのポール・アダムス国際問題担当編集委員は指摘する。

Pskov airport
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8月31日から9月1日にかけても、ロシアの複数地点がドローン攻撃を受けた。

未確認情報によると、首都モスクワ郊外のリュベルツィでは、ロケットの電子部品を作る工場が攻撃された。ただし、モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は、リュベルツィ上空のドローンは迎撃し、被害は出ていないとソーシャルメディア「テレグラム」に書いた。

モスクワ周辺にドローン攻撃がある際に繰り返される対応として、1日朝にはモスクワ周辺の複数の空港で発着便が遅延したりキャンセルされたりした。

ロシア西部でウクライナ北東部と国境を接するクルスク州のロマン・スタロヴォイト知事は、クルチャトフの町で住宅1棟と行政庁舎1棟がドローン攻撃を受けたと明らかにした。近くにはクルスク原子力発電所がある。

ウクライナ軍は、ロシア占領下にあるウクライナ領での反転攻勢も続けている。

アメリカのシンクタンク、戦争研究所は31日、東部バフムートや南部ザポリッジャで、ウクライナ軍が前進したと述べた。

米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は1日、ウクライナ軍がそれまでの72時間の間にザポリッジャで「顕著な進展」を実現したと述べた。

状況を客観的に観察している者にとって、ウクライナ軍によるこの成果は「否定しがたい」ものだとカービー氏は述べ、ウクライナ軍の前進が遅いと匿名で批判する「当局者」たちの発言は、「何の助けにもならない」と付け加えた。

ウクライナ政府は8月28日、ザポリッジャ州のロボティネ集落を奪還したと発表。同集落を足掛かりに、さらに南へ部隊を進められるとウクライナは期待しているという。