8年前に中学校から連れ去られた女性2人、子連れで発見 ナイジェリア
ナイジェリア軍は、8年前に武装勢力「ボコ・ハラム」によって中学校から連れ去られた女子生徒のうち、2人を発見したと明らかにした。
イスラム教主義のボコ・ハラムは2014年、ナイジェリア北東部の町チボクで、女子生徒300人近くを連れ去った。この事件は世界中で怒りを呼んだ。
その後、被害生徒の大半は、解放されるか逃げるかした。しかし、まだ何十人も消息不明のままとなっている。
軍によると、今回の女性2人は25日、ナイジェリア北東部で過激派に対する軍事作戦を実施中に見つかったという。
2人はそれぞれ子どもを連れていた。拘束されている間に出産したとみられている。子どもの数は、片方が1人、もう片方が2人だった。
当局によると、女性2人と子どもたちは、軍の医療施設に収容された。
まだ100人近くが消息不明か
ボコ・ハラムに連れ去られ、解放された経験がある他の女性たちは、拘束中にイスラム教への改宗と、戦闘員との結婚を強制されたと話している。
ナイジェリア政府は彼女たちに、宿泊施設と社会復帰のためのリハビリを提供している。
2014年4月14日の事件では、夜間に学校の寮から女子生徒276人が連れ去られた。うち57人は数時間のうちに、主にトラックから飛び降りて茂みに逃げ込むなどして、逃げ出した。
連れ去られた生徒が初めて発見されたのは、2016年5月だった。この時は1人だけだったが、その後の数年で、さらに数人が逃亡した。
また、ナイジェリア政府とボコ・ハラムとの交渉により、2016~2018年に被害者103人が解放された。
被害者支援団体「Bring Back Our Girls(私たちの少女たちを戻せ)」によると、約100人がまだ消息不明だという。
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他の犯罪集団による連れ去りも
各種の報告によると、ボコ・ハラムは最近、連れ去った女子生徒たちの残りを放棄しつつあるとみられる。複数の国の軍から激しい攻撃を受けているのが、理由の一部だとされる。
AFP通信によると、ナイジェリア北東部で長く続くジハーディスト(イスラム聖戦主義者)らの反政府活動では、約4万人が死亡し、220万人が住む家を失っている。
同地域では、2014年のチボクでの連れ去り事件のあとも、大学を含む多くの学校が襲撃された。
襲撃はジハーディストによるものだけでなく、「バンディット(無法者)」と現地で呼ばれる犯罪集団が、身代金目的で実行しているものも多い。
ナイジェリア政府は、チボクで連れ去られた女子生徒たちの身代金として、ボコ・ハラムに約330万ドル(約4億4700万円)を支払ったとされる。だが、最近の学校での連れ去り事件では、政府の関与はほとんどみられない。
代わりに両親や親族が、子どもたちの身代金の支払いを迫られている。