中国の100キロマラソン、出場者21人が死亡 悪天候で
中国北西部で22日、長距離走の大会中に天候が極度に悪化し、出場者のうち21人が死亡した。多くのランナーが低体温症にかかっていたとされる。
この日、甘粛省の観光地・黄河石林で、距離100キロを走破するウルトラマラソン大会が開かれた。
途中、強い風と冷たい雨に見舞われた。
影響で出場ランナー172人が行方不明となり、大会は中止された。悪天候で視界不良になり、コースから外れた人が続出したとされる。
その後、救助活動が開始された。国営メディアによると、1200人以上が出動し、赤外線画像を撮影するドローンやレーダー探知機も使われた。
当局はこれまでに、ランナー21人の死亡を確認した。国営メディアによると、死亡が確認された人には、ウルトラマラソンの王者リャン・ジンさんや、2019年に中国の全国パラリンピック大会の男子聴覚障害者マラソンで優勝したファン・ガンジュンさんも含まれているという。
当局はまた、出場者151人の安全が確認されたと明らかにした。うち8人はけがを負っているという。
救助活動は23日朝まで夜通し続けられたが、さらなる降雨により難航したという。
激しい風雨と気温の急降下
この日の大会は午前9時にスタートした。出場者には短パンとTシャツという軽装の人もいた。
出場者によると、事前の天気予報ではいくらかの風雨が予想されていた。しかし、実際に起きたような悪天候の話は出ていなかったという。
開始から3時間ほどたって、コースの山岳地帯をひょうや激しい雨、強風が襲った。近接する白銀市の当局は、そうした天候の変化により、気温も急激に下がったとした。
出場者のマオ・シュジさんは、「雨がどんどん激しくなった」とロイター通信に話した。走っている途中で天候が変わったため、山岳地帯に入る前の24キロ地点で引き返したという。
彼女は以前に低体温症を経験していたことから、ホテルに戻ることを決めた。しかし、そのまま走り続ける人や、すでに山岳地帯に入っていた人もいたという。
中国のソーシャルメディアには、白銀市当局などに対する怒りの声が噴出した。緊急事態への備えが不足していたとの指摘もあがった。
同市の張旭晨市長は23日の記者会見で、「大会主催者として、罪の意識と後悔でいっぱいだ。亡くなった人の家族とけがを負った人には、心からの哀悼とお悔やみを表明する」と述べた。