ウィキリークス創設者、アサンジ容疑者を逮捕 英警察

動画説明, ジュリアン・アサンジ容疑者(白髪の男性)がロンドンのエクアドル大使館から連行される場面を撮影したビデオ映像

ロンドン警視庁は11日午前、内部告発サイト「ウィキリークス」の共同創設者ジュリアン・アサンジ容疑者(47)を、ロンドンのエクアドル大使館で逮捕した。

ロンドン警視庁によると、アサンジ容疑者が定められた裁判所への出頭を怠ったため、逮捕に踏み切ったという。

アサンジ容疑者は2012年6月、性的暴行事件をめぐりスウェーデンへの身柄引き渡しを避けるため、エクアドル大使館に逃げ込み同国に亡命を申請。同年8月以来、同大使館で保護されていた。アサンジ容疑者は無実を主張し、スウェーデン検察は2015年に本人の事情聴取ができないことを理由に、性的暴行と強要容疑の訴追手続きを打ち切った。ただし、強姦容疑は継続している。

エクアドルのレニン・モレノ大統領は、アサンジ容疑者が国際条約に繰り返し違反し、諸外国の内政に干渉したため、「アサンジ氏の行状について、我々として限界に達した」と、保護中止を発表した。

モレノ大統領は、最も最近の内政干渉は今年1月にウィキリークスがヴァチカンの内部文書を漏えいしたことだと述べ、「こうした公表を重ねることから、アサンジ氏が今もウィキリークスとつながりがあり、ゆえに他国の内政に干渉しているという世界の疑いが確認された」と批判した。

Julian Assange

画像提供, Reuters

画像説明, ロンドン警視庁に逮捕されたジュリアン・アサンジ容疑者

イギリスのサジド・ジャヴィド内相もツイッターで、「ジュリアン・アサンジは現在、警察が身柄を拘束し、イギリスで正当に法に問われている」、「エクアドルの協力と、ロンドン警視庁によるプロの仕事ぶりに感謝したい。法を超越する存在の者などいない」と書いた。

アサンジ容疑者は、エクアドル大使館を出ればアメリカに引き渡され、ウィキリークスの活動について取り調べを受けるとして、同大使館から外に出ることを拒否していた。

ロンドン警視庁によると、エクアドル政府が亡命受け入れを取りやめた後、同国大使から大使館に呼ばれたという。アサンジ容疑者はロンドン中心部の警察署で拘束されており、ウエストミンスター治安裁判所に「できるだけ早期に」出廷する予定だとしている。

イギリスのアラン・ダンカン外務閣外相は、今回の逮捕について、「二国間の幅広い話し合い」を経たものだと述べた。

一方、ウィキリークスはツイッターで、エクアドルが「国際法に違反して」アサンジ容疑者の政治亡命に関わる保護を打ち切ったと主張した。

ウィキリークスはアサンジ容疑者の写真と共に、「この人は息子で父親で兄弟だ。報道関係の賞を何十も受賞している。2010年以来、毎年ノーベル平和賞の候補になっている。米中央情報局(CIA)を含む有力な主体が洗練された方法で彼を、非人間的な存在として描き、正当性を奪い、投獄しようとしている」とツイートした。

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ウィキリークスは逮捕前日の10日、エクアドル大使館におけるアサンジ容疑者に対する大がかりなスパイ活動を発見したと発表していた。