韓国国会、野党代表の逮捕同意案可決 党内から造反、総選挙に影響か

ソウル=太田成美
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 韓国国会は21日、北朝鮮に対する不正送金に関与した疑いなどで逮捕状が請求されている最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)代表の逮捕同意案を賛成多数で可決した。裁判所は近く逮捕状を出すかどうか判断する見通し。尹錫悦(ユンソンニョル)政権への対決姿勢を強める同党にとって混乱は必至で、政局にも影響を与えそうだ。

 国会議員の李氏の逮捕には、国会の同意が必要。出席議員295人のうち、過半数となる149票の賛成で可決された。同党は国会で過半数を占めるが、約30人の造反者が出たとみられる。

 李氏に対する逮捕状の請求は今年2月に続いて2回目。この際は国会で逮捕同意案が否決されたが、党内からは、来年4月の総選挙の「顔」となる李氏の辞任を求める声があがっていた。

 ソウル中央地検は18日、李氏が京畿道(キョンギド)知事だった2019~20年、副知事と共謀し、企業の元会長に北朝鮮へ計800万ドル(約11億8千万円)を不正に送金させたなどとして、外国為替取引法違反などの疑いで逮捕状を請求していた。

 李氏は20日、SNSで容疑を否定。検察トップの元検事総長だった尹政権による「政治工作」だと主張し、「検察独裁の暴走機関車を国会前で止めてほしい」と訴えていた。

 李氏は8月31日、尹政権を批判するハンガーストライキを開始。逮捕状が請求された今月18日に健康状態が悪化したとして病院に救急搬送された。現在もハンストを継続している。

 国会では21日、野党提案の韓悳洙(ハンドクス)首相の解任決議案も可決された。法的拘束力はないが、総選挙を前に与野党の攻防が激しくなっている。(ソウル=太田成美)

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