奇祭・蘇民祭に幕「残念だが全力で」 千年以上続くも担い手不足に

三浦英之
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 千年以上の歴史があるとされる岩手県奥州市の黒石寺の奇祭「黒石寺蘇民祭」が17日夜、開かれた。御利益があるとされる「蘇民袋」を、上半身裸で下帯姿の男衆が奪い合うことで知られる伝統行事。関係者の高齢化や担い手不足を理由に、今年で最後となった。

 蘇民祭は通常、旧暦正月7日の晩から8日の早朝に行われてきたが、今年は午後6時から時間を短縮して実施。祈願者が角灯を持ち、川で身を清めた後、「ジャッソウ、ジョヤサ」の掛け声と共に薬師堂などを巡り、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈った。

 同祭保存協力会青年部の菊地敏明部長(49)は17日午後、「最後になってしまったのは残念だが、全力でやりきりたい。記憶に残る蘇民祭にしたい」と話した。

 2008年には奥州市が蘇民祭の観光ポスターを駅構内などで貼り出してほしいとJR東日本に依頼したところ、「裸の姿が不快感を与えるおそれがある」と断られ、全国的に注目を集めた。三浦英之

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