認知症に関する初の法律が成立 社会活動に参加する機会を確保へ

有料記事

関根慎一
[PR]

 認知症に関する初の法律「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が14日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。社会活動に参加する機会の確保など様々な認知症の施策に取り組み、認知症の人が暮らしやすくするのが狙い。「世界アルツハイマーデー」の9月21日を「認知症の日」と定めるとした。

 新法には、国民の責務として「共生社会実現への寄与」を盛り込んだ。認知症施策の基本理念として、全ての認知症の人が自らの意思で日常生活や社会生活を営める▽すべての認知症の人が社会のあらゆる分野の活動に参画する機会の確保▽認知症の人と家族が地域で安心して日常生活を営める――など7項目を掲げた。

 また具体策として、バリアフリー化の推進▽意欲や能力に応じた雇用の継続、就職に資する施策▽保健医療、福祉サービスの切れ目ない提供▽認知症の早期発見、早期診断、早期対応を推進――などを挙げた。

「これまで以上に医療介護の枠を超えた対策を」

 政府には、認知症の人や家族…

この記事は有料記事です。残り497文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2023年6月14日16時43分 投稿
    【視点】

    認知症の人はかつて、「何もわからない」という偏見のなかで孤立し、地域や企業との接点は極めて乏しいものでした。  1980年に、現在の「認知症の人と家族の会」が京都で結成されました。つながった介護家族たちは「もっと社会の手を、もっと政治の光

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    辻外記子
    (朝日新聞科学みらい部大阪担当部長)
    2023年6月14日17時52分 投稿
    【視点】

    「アルツハイマー病の発見者、Alois Alzheimerの誕生日は偶然にも6月14日。 日本の基本法がこの日に成立するのは記念すべきことのように思われました」と取材先の認知症研究者が教えてくれました。 先日、参加した勉強会で別の医師は

    …続きを読む