札幌市で初の公立の小中一貫校が開校 「中1ギャップ」解消に期待も

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佐々木洋輔
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 札幌市に今春、市内初の「義務教育学校」が開校した。公立の小中一貫校で、6年制と3年制の区切りがない。中学教諭が小学児童を指導したり、児童生徒がいっしょに学校行事に取り組んだり、小学と中学の垣根を超えた活動ができる。2016年度に始まった制度で、文科省は「中1ギャップ」の解消も期待する。

 開校したのは、「市立義務教育学校福移学園」(東区中沼町)。石狩川豊平川の合流地のすぐそばに立地し、札幌市中心部から車で40分ほど郊外にある。

 同校はもともと市立福移小中学校として、児童と生徒が同じ校舎で学ぶ、市内唯一の「併置校」だった。3月23日にあった開校式では、児童生徒の代表が福移小と福移中の二つの校旗を返還。それぞれ122年と72年の歴史に幕を閉じた。その後、福移学園としての新たな校旗が市の檜田英樹教育長から授与された。

 児童生徒86人を前に、檜田教育長は、開校式で「学習面だけではなく生活面でも9年間をつないでいく。貴重な先行事例になる」とあいさつ。最後に新校でも継続して使われる校歌を全員で歌い、門出を祝った。

 式後、今春6年生になる新倉舞音さんは「全校の交流が増えることが楽しみ」と笑顔を見せた。9年生になる山田葉月さんは「下級生に隔たりを感じさせないよう最上級生として自覚と責任を持ちたい」と力を込めた。

英語は5年生からスタート

 義務教育学校は原則、前期課程6年、後期課程3年として学習指導を進める。一方、福移学園は前・後期で隔てない指導区分を導入した。例えば英語科目を5年生からスタートさせるなど、小中各教諭の連携をいかしていくためだ。

 市は開校に合わせ、2022年度予算で4500万円万円を計上。校舎を改修するなど準備をしてきた。

 義務教育学校は全国に計17…

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