欧州にとっての侵攻とは 迫られた戦略見直し 露呈した「米国頼み」

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ベルリン=野島淳 パリ=宋光祐
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 バイデン米大統領は21日、ポーランドのワルシャワで演説し、米国と欧州の軍事同盟の結束を改めて強調した。ロシアのウクライナ侵攻から1年で欧州は安全保障戦略の見直しを迫られ、米国とともに積極的な武器支援に踏み切った。だが、自らの大陸の安全保障が米国頼みである現実も突きつけられ、戦争終結に向けた道筋でも違いが浮かび上がっている。(ベルリン=野島淳、パリ=宋光祐)

 バイデン氏が訪問先に選んだポーランドはウクライナの隣国だ。バルト三国と並び、侵攻に強い危機感を示して対ロ強硬姿勢をとってきた。

 21日、バイデン氏に先立って演説したドゥダ大統領は「ウクライナは勝たねばならない」と強調。三十数年前に共産主義を打破できたのは米国の支援を受けた市民の連帯だったとし、ともにウクライナを支援するのは「こうした人間の連帯感の表れだ」と述べた。

 ポーランドが長年抱いてきたロシアへの危機感は、欧州内に広く共有された。

 典型例が、第2次世界大戦後に平和主義を掲げ、ロシアとの友好姿勢を保ってきたドイツだ。

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