山梨知事に長崎氏、組織力で再選 自民分裂も「独断的」の批判かわす

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羽場正浩 米沢信義
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 山梨県知事選は22日、投開票され、現職の長崎幸太郎氏(54)=自民、公明推薦=が、前自民県議の志村直毅氏(53)、元笛吹市長の倉嶋清次氏(74)=共産、れいわ、社民支持=の新顔2人を破り、再選を果たした。自民党の推薦をめぐり、県議会の自民系会派の一部が分裂したが、多数派の組織力を生かして安定した戦いぶりを見せた。当日有権者数は67万9320人。投票率は52・29%(前回57・93%)だった。

 長崎氏の陣営が開票状況を見守った昭和町の会場には多くの支持者が詰めかけ、午後8時過ぎの当選確実の知らせで歓声が上がった。長崎氏は笑顔で会場に入り、陣営幹部らとともに万歳を三唱して喜びを爆発させた。報道陣の取材に応じ、「選挙は政策で勝負と訴えさせてもらった。政策は誹謗(ひぼう)中傷に勝る。証明されたと思う」と話した。

 自民党籍を持つ長崎氏は党推薦を受け、組織をフル回転。選対本部長を県連会長の森屋宏・参院議員が務め、5日の告示日には菅義偉前首相らも応援に駆けつけた。推薦を取り付けた公明党の支援も受けた。

 選挙戦では、中部横断自動車道の県費負担の大幅な削減や、新型コロナウイルスへの対応、公立小1、2年生への「25人学級」導入、二酸化炭素を出さずに水から水素を製造する「P2Gシステム」の取り組みなどをこの4年間の実績として強調した。

 2期目は山梨を海外にまで開かれた「開(かい)の国」と位置づけ、感染症や生活、経済の基盤を強くする「強靱(きょうじん)化」に取り組むと訴えた。

 「独断的」といった批判には「課題に正面から取り組み、リーダーとして実現に向けて方向性を示すのが知事の役目」とかわした。

続投するリーダーに課せられた使命

 《解説》有権者の多くは「転…

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