葛西敬之・JR東海名誉会長が死去、81歳 国鉄民営化、改革3人組
旧国鉄の民営化を推進したJR東海名誉会長の葛西敬之(かさいよしゆき)さんが25日、間質性肺炎で死去した。81歳だった。JR東海が27日発表した。
1963年、東京大学法学部を卒業し、当時の日本国有鉄道(国鉄)に入った。職員課長や職員局次長として、余剰人員対策をまとめた。のちにJR西日本の会長を務める井手正敬氏、JR東日本の会長となった松田昌士氏とともに国鉄民営化をめぐる「改革3人組」のひとりとされた。
87年4月、JR東海が発足した後に取締役総合企画本部長に就き、社長だった須田寛氏を支えた。95年に副社長から社長に昇格し、97年には株式上場を実現。2003年の東海道新幹線品川駅の開業を区切りに、04年に会長に退き、14年に名誉会長になった。
経営の一線を退いた後もJR東海社内では影響力を持ち続けた。新幹線方式の鉄道を海外に売り込むため各国首脳や政治家への周知活動を担った。
社外では、国家公安委員会委員や、教育再生会議の有識者メンバーを務めた。保守を代表する論客ともいわれ、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人としても名を連ねた。安倍晋三元首相を、自民党が野党に転落した時代も含め支えてきた。
JR東海は、「JR東海の発展の牽引者(けんいんしゃ)として曲げない信念と卓越した実践力を持ち合わせた人でした。また確固たる国家観、世界観を持ち日本の発展に心を砕いていた人でもありました。こうした方を失って会社としては誠に残念でなりません。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます」とのコメントを出した。
後日、親族による通夜、葬儀を執り行い、「お別れの会」を開く予定という。
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