避難先で開校 大熊町立「学び舎 ゆめの森」の校章・校歌お披露目

上田真仁
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 東京電力福島第一原発事故後、大熊町から会津若松市に避難した子どもたちのため、4月に同市で開校予定の大熊町立の義務教育学校「学(まな)び舎(や) ゆめの森」のシンボル(校章)と校歌のお披露目会が15日、市内であった。同校は三つの学校を集約して開校し、来年春には大熊町に戻る予定。

 この日は、避難している大熊町の熊町、大野の両小の児童、大熊中の生徒ら計9人と保護者らが旧河東第三小体育館に集い、ピアノの伴奏に合わせて校歌を歌うなどした。

 校歌は、詩人の谷川俊太郎さんが作詞を担当。「学校では親子兄弟とは違う人間関係に入り、自分の存在が人間関係の網の目に組み込まれていることをだんだんに自覚していく」などの思いを込めた。作曲を担当した息子の賢作さんは「明るくのびのびした気分」の曲調にしたという。大熊町の木村政文教育長は、「ジャズ、ラテンなどにもアレンジできる歌いやすいメロディーです」と話す。

 人のシルエットや大熊町の「大」をモチーフにした校章を手がけたのは、グラフィックデザイナーの広村正彰さん。中学1年の石井埜乃佳(ののか)さんは「動きがあって、個性と成長を感じます」と話した。

 保護者として参加した斎藤やよいさん(48)は中学1年の羽菜さん、熊町小4年の輝(あきら)君とともに、ゆくゆくは大熊町に戻る予定だという。「校章も歌もとても素晴らしい。先輩たちが、また大熊に戻ってこの学校に来たい、と思えるような学校になってほしい」と話していた。(上田真仁)

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