JAXAの宇宙飛行士、学歴不問に 月探査を視野に13年ぶり募集

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小川詩織
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、有人月探査を視野に入れた新しい飛行士の応募を始めると発表した。これまでは理系の大学を卒業していることや水泳、英語力など厳しい条件があったが、試験で判断したり訓練で身につけたりできるなどとして多くを撤廃。門戸を広くして多数の応募を得る狙いだ。JAXAによると、公的機関の飛行士の応募が学歴を不問とするのは世界初という。

 JAXAが飛行士を募集するのは13年ぶり。応募期間は12月20日から来年3月4日までで、4回の試験や検査を経て、23年2月ごろまでに若干名を選抜する。

 発表では、応募資格は、3年以上の実務経験があり、身長149・5~190・5センチ、矯正視力が両眼とも1・0以上、色覚・聴力が正常であること。前回の2008年までは、自然科学系の大学卒であることや、実務経験の分野も自然科学系に限られていたが、撤廃する。博士号は3年の実務経験とみなされる。

 堪能な英語力や着衣で75メートル泳げることといった条件もあったが、「試験で評価したり、訓練で習得したりできる」として削った。

 今回選ばれる飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)で滞在するだけでなく、月を回る軌道上に建設される新しい宇宙ステーションに滞在したり、月に降り立って探査したりする予定だ。会見した油井亀美也飛行士は「幅広い背景がある人に応募してもらい、今までなかった光る才能で、新しい日本の有人宇宙活動をつくってほしい」と期待した。

応募資格の主な変更点

2008年              今回

自然科学系の大学を卒業        なし

自然科学系分野で3年以上の実務経験  3年以上の実務経験

身長158~190センチ         149・5~190・5センチ

体重50~95キロ           なし

着衣水泳75メートル・立ち泳ぎ10分間   なし(訓練で習得)

円滑な意思疎通が図れる英語力     なし(試験で判断)

■求められる飛行士像は?…

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