四国の急行「うわじま」「いよ」千葉で復活 ヘッドマーク付け運行へ

福家司
[PR]

 千葉県第三セクター鉄道いすみ鉄道」が9日から、所有するキハ28形ディーゼル車に、かつて四国で運転された急行列車のヘッドマークを掲げて走らせている。大型観光企画、四国デスティネーションキャンペーンのPRを兼ねた、JR四国といすみ鉄道の初のコラボ企画だ。

 キハ28形は主に国鉄時代、全国各地の非電化路線でディーゼル急行として使われた。「ディーゼル急行王国」だった1960~70年代の四国でも、花形の急行列車として活躍した。

 いすみ鉄道は2012年、キハ28形をJR西日本から購入し、赤とクリーム色の「国鉄色」のまま、レストラン列車などとして走らせている。ただ、この車両は四国を走ったことはなかったとみられる。

 古竹孝一社長(50)は高松市出身の元タクシー会社長。公募で18年から社長を務める。「同じローカル線を持つ鉄道として、帰省の折にJR四国に相談することもあった。1年ぐらいコラボについて話をさせていただいていた」という。

 ヘッドマークは、かつてキハ28形などを連ねて走った「うわじま」(高松―宇和島間)と「いよ」(高松―松山間)の選択式で、直径約50センチの金属製。1990年11月まで使われ、松山運転所の所長室に保存されていた。

 9月30日にJR四国本社(高松市)を古竹社長が訪れ、運転所の職員が個人で保存していた、表裏にそれぞれ「いよ」「うわじま」と記された愛称表示板とともにヘッドマークを貸与された。ヘッドマークや表示板を付けた列車は10月中は土曜に「いよ」、日曜に「うわじま」のヘッドマークを付け、急行などとして走らせる。11、12月の運行予定は改めていすみ鉄道のホームページで発表する。また、いずれかの駅に四国をPRするコーナーも設けたいという。

 古竹社長は「関東のローカル鉄道も四国とつながっていることを表現し、コロナ禍で輸送人員が減っている中、アフターコロナの起爆剤となれれば」。JR四国の長戸正二・鉄道事業本部長は「四国のかつての急行の存在を関東の方々にも知っていただき、四国に興味を持ち、来ていただけるきっかけになればありがたい」と話していた。(福家司)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら