鯛めしの元祖、津島の六宝広めたい 飲食店主らが保存会

藤家秀一
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 愛媛県宇和島市津島町の味覚として古くから親しまれている「六宝(ろっぽう)」は、観光客に人気の「宇和島鯛(たい)めし」の元祖とも言われる郷土料理だ。鯛めしの陰に隠れがちな六宝をもっと広めようと、地元の飲食店主らが保存協会をつくった。

 1月に「津島六宝保存協会」を立ち上げたのは、津島町にある飲食店や鮮魚店、旅館など計10店。過疎化新型コロナウイルスの影響で沈みがちな地元の飲食業界を盛り上げようと、地元ではなじみ深い六宝をPRすることにした。手始めに11月6日を「いい六宝の日」に決めた。

 六宝は津島町周辺の家庭で古くから親しまれている、鯛めしによく似た料理。刺し身としょうゆベースのタレを使うのは同じだが、刺し身をあらかじめタレに漬け込んでいることと、ヒラメやイサキなどのタイ以外の魚も使う点が違う。タレに漬け込んだ分だけ刺し身に味がしみこんでおり、旬の魚のおいしさが味わえるという。

 名前の由来はいろいろ。タレに「酒」「みりん」「砂糖」「しょうゆ」「ごま」「生卵」の6種類を使うから六宝になったという説や、あまりのおいしさに思わず歌舞伎の所作の一つ「六方」を演じてしまったからという説もある。

 今回、保存協会の参加店ではそれぞれ六宝定食や持ち帰り専門の鉢盛(5人前)を税込み1千円~4千円で提供。専用のスタンプカードもあり、スタンプ6個ごとに2千円の食事券が当たる抽選に応募できる。六宝にちなんで、毎月6の付く日はスタンプが2倍になる。

 保存協会の事務局長で「料理田むら」を営む田村寿一さん(53)は、「地元の魚を使った名物料理。ぜひ津島まで食べに来てほしい」と話している。(藤家秀一)

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