三重大病院医師、2千万円超を不正請求か 薬投与の虚偽

甲斐江里子
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 三重大学医学部付属病院(津市)の医師らが投薬をめぐる不正に関わった疑いがある問題で、同病院は8日、医師らが診療録(カルテ)を改ざんし、診療報酬を不正に請求した疑いがあると発表した。診療録の改ざんは約2200症例、不正請求額は2800万円以上におよぶという。

 同病院によると、医師らは手術中に不整脈が起きた時の緊急措置などに使われる薬剤を実際は投与していないのに、診療録には投与したかのような虚偽の記載をし、診療報酬を不正に請求した疑いがもたれている。患者への健康被害は確認されていない。医師らは病院の聞き取りに対し、製薬会社からの金銭の授受はなかったと説明しているという。

 医師らの不正の疑いは3月末に発覚し、大学が院内調査委員会と第三者委員会を立ち上げた。医師らの行為は、刑法の公電磁的記録不正作出・同供用罪にあたる疑いがあるとして、刑事告訴も検討しているという。

 この問題をめぐり、同病院は関与が疑われる教授と准教授の2人を自宅謹慎にしている。大学は近く、第三者委員会の調査結果を公表する予定だ。(甲斐江里子)

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