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河井克行議員のLINEで詳細指示 案里氏の選挙主導か

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 昨年7月の参院選で初当選した河井案里参院議員(自民、広島選挙区)の選挙運動の際、陣営が無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使ってやり取りしていた画像の一部を、朝日新聞が入手した。案里氏の夫で前法相の克行衆院議員(自民、広島3区)が使っていたアカウント名から、広報用の車の走行ルートや集会の状況まで細かく陣営に指示したり問い合わせたりしていたことが新たに判明した。

 広島地検もこれを入手。自身の秘書を含め3人が車上運動員に法定上限を超える報酬を支払ったとして公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された選挙に、克行氏が主導的な役割を果たしていたことを示すものとみている。捜査の焦点は今回の事件への克行氏の関与の有無となっており、同地検は複数の陣営関係者から任意で事情聴取するとともに、案里氏、克行氏からも事情を聴いている。

 関係者によると、このグループLINEは、昨年の参院選公示(7月4日)前の6月14日に開設。河井夫妻のほか、公選法違反容疑で逮捕された克行氏の政策秘書の高谷真介(43)、案里氏の初当選後に公設秘書となる立道(たてみち)浩(54)の両容疑者や陣営幹部ら約10人が参加した。

 朝日新聞が入手した6月14日のやり取りをみると、午前9時過ぎに克行氏のアカウント名「あらいぐま」が、車3台を広島県内の小選挙区別に割り当てたうえで、具体的な走行ルートについて立道容疑者に考えさせるよう指示。また各自治体での案里氏の後援会結成の集いの開催について候補日を挙げ、「はやく決めてください」と求めていた。

 克行氏は公式ホームページやブログでマスコットとしてあらいぐまを使っていた。このグループLINEに加わっていた陣営関係者は、「あらいぐま」のアカウントからの投稿を克行氏からのものと受け止めていたと証言している。ある陣営関係者は、「秘書らは何でも克行氏に相談しながら動いていた。そうしないと(克行氏に)怒られる」と取材に証言している。

 朝日新聞は克行氏の事務所に案里氏の選挙への関与の有無について、質問状を6日に渡したが、17日現在で回答はない。

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