つらいときも、臨時休校の小学生も「動物園へおいでよ」

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宮沢崇志
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 「だめになりそうなときは きっと ここにおいでよ」。自殺対策の相談窓口を紹介するため、愛知県豊橋市豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)が協力して作ったポスターが話題を呼んでいる。2019年は寄り添う2頭のライオンをモデルにし、今年も同園の動物が登場する。ポスターは「ここにおいでよ」と優しいメッセージで悩める人たちに呼びかけている。

 自殺対策強化月間の3月に合わせ、市は昨年初めてポスターをつくった。使用したのは同園で飼育していた雄のハヤテ、雌のオトの2頭のライオンが顔を寄せ合う写真だ。「つらかったら動物園に来て」というメッセージと合わせ、ポスターには多くの反響が寄せられた。

 昨年5月、21歳の誕生日を目前にハヤテが老衰のため旅立った。するとポスターへの反響が再燃。市や動物園にはポスターがほしいという問い合わせがいくつも寄せられた。

 自殺対策は地道な取り組みで、はっきりとした効果があらわれるものではない。それでも、ポスターによって多くの人に相談窓口があることを知ってもらえた、と市の担当者はみている。健康部、動植物公園の双方から声が上がり、今年もポスターを作製することになった。

 園は、来園者が動物たちの写真を投稿する「のんほいプチフォトコン」の特別企画としてポスターに使う写真を募集。寄せられた写真は45点。園職員が集まって吟味し、2匹のミーアキャットが写った1枚をポスターに採用した。

 担当した動植物公園の多米田悟司さんは「向かい合うような一瞬をとらえた1枚で、企画の趣旨に合うと思った」と話す。雌雄のペアだった昨年とは違い、写真から写っているのがどのミーアキャットかを判別するのは難しいという。「2匹の関係は不明です」

 ポスターの企画は、市の部局…

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