囲碁と将棋の名人は顔そっくり 初対面してぶつけた哲学

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 将棋界と囲碁界、それぞれの頂点に立つ新名人が相次いで誕生した。将棋の豊島将之名人(29)と囲碁の芝野虎丸名人(20)だ。互いに似ていると言われ、意識しあっていた2人が初めて顔を合わせ、全く異なる勝負哲学をぶつけ合った。

芝野名人「勝手に親近感を…」

 豊島 芝野さんは自分の20歳くらいの時と体形が同じですし、たぶん僕よりも細いですね。

 芝野 入段したときから豊島先生に似てるってよく言われていました。

 豊島 僕もたまに言われますよ。

 芝野 豊島先生がタイトルを獲得されたりすると、「おー」と思って、ちょっとうれしかったんですよね。勝手に親近感を持っていました。

 豊島 名人を取って生活は変わりましたか。

 芝野 あまり変わりませんが、免状に(名人として)署名しなくてはいけなくて、日本棋院に行くたびに書いています。週1回くらい、多くて1回50枚くらいです。

 豊島 僕は東京に来たときにまとめて書いています。早め早めに書くタイプで、「これ以上書かないでください」と言われることもあります。

 芝野 対局のあとは普通に寝られますか。自分は打ち掛けの夜は普段どおりですが、対局のあとは寝られない。

 豊島 僕の場合は、1分将棋で延々と指していたりすると、興奮してて寝られなかったりしますね。

 芝野 豊島先生は何か運動をされているんですか。

 豊島 軽くちょっとやっているくらいです。ジムに行ってマシンとか。芝野さんは筋トレして体重が4キロ増えたとか。

 芝野 それは昔の話で。ジムとかは全然行っていないんですよ。

AIとのすり合わせ、豊島名人「やりすぎると…」

 芝野 将棋界でAI(人工知能)が人間を超えたのはいつごろでしたか。

 豊島 たぶん僕と指した14年には、すでに(AIが)抜いていた気がします。でもその時はまだ形勢判断とか、自分の方が正しいところも多かった。いまは終盤でも間違えないですね。

 芝野 囲碁でAIが普及したのは2年前くらいです。まだ終盤はあてにならないことが多い。

 豊島 自分の大局観と(AIの示す)数値が全然違っていたら、どうしますか。自分の場合だと細かい差だとあまり気にしないですけど、明らかに離れていると気になる。だいたい自分が間違っているので、変えないといけない。

 芝野 自分はそういう風に地道にやるのが苦手です。たまに自分の評価と正反対ということがあると、きょうは違ったかと、やめちゃう。もっとやっていかないとダメなんですけど。

 豊島 それくらいの方がいい時もあります。あまり細かく(すりあわせを)やり過ぎるとよくないですね。

 ――豊島さんはどれくらい突き詰めるんですか。

 豊島 終盤だったらあまり気…

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