埼玉)自由闊達な校風、人気漫画のモデルにも 浦和西高

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 1970年代の『週刊マーガレット』に連載され、テニスブームを巻き起こしたスポ根漫画『エースをねらえ!』の舞台のモデルとなったことでも、浦和西高(以下、西高)は知られている。

 先輩「お蝶夫人」に憧れて、名門テニス部に入った岡ひろみが鬼コーチのもと、世界的な選手に成長する物語。西高に当時、硬式テニス部はなかったが、コーチの住所が西高近くに実在することもモデルだと裏付ける。作者の山本鈴美香(70、68年卒)は、漫画好きな文学少女。卒業の寄せ書きには、作家北杜夫のユーモアあふれる随筆『どくとるマンボウ』シリーズを文字って、「どくとるスミカ まんが界をゆく!!」と書いた。漫画家志望もすでに親に打ち明けていたという。武蔵野美大に進み、言葉通りに夢を実現する。

 自由奔放な美術教師のもとで、高校生活を送った。山本のクラスからは実に10人近くが美術系大学に進学。うち5人は浪人して東京芸大に進んだ。一浪したその一人、東京芸大名誉教授(彫金)で山梨ジュエリーミュージアム館長の飯野一朗(70、68年卒)は「授業をさぼっても美術準備室にこもってデッサンしていれば見て見ぬふり。山本さんもそんな自由闊達(かったつ)な雰囲気の中で才能を伸ばしていけたのでしょう」と振り返る。

 自由な気風は、平成の時代も…

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