消費者庁、徳島の全面移転は見送り 国会対応など東京で

松山尚幹
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 宮腰光寛消費者相は19日、徳島市に来年度、「消費者庁新未来創造戦略本部」を新設すると発表した。政府関係機関の地方移転の一環で、時限的につくった拠点を拡充し、恒常的な組織として政策研究や国際業務を担う。一方、過去に検討されていた全面移転は見送る。

 宮腰氏はこの日、徳島市内で記者会見し、「東京と徳島を車の両輪として、消費者行政の発展に寄与することを目指す」と語った。今後も全面移転を検討するかと問われたが「その後のあり方を論ずるのは時期尚早」と言葉を濁した。

 国会対応や危機管理など対外調整が必要な業務は引き続き東京で行う。政府関係者は「政策立案の一部を徳島でやるということ。全面移転はない」と話す。

 新設する戦略本部は、認知症と消費者被害をテーマとする研究や、必要性が高まっている国際交流の拠点などに利用。首都圏での大災害時のバックアップ機能も持たせる。

 政府関係機関の地方移転は、安倍政権が「地方創生」の施策の一つとして検討している。消費者庁は2017年7月、徳島市に時限的な「消費者行政新未来創造オフィス」を開き、国民生活センターなどの機能の一部を移した。その効果を検証した結果、徳島県内を実証フィールドとした消費者問題の分析・研究の成果を評価。恒常的な拠点を置くことが決まった。(松山尚幹)

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