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壇上で笑顔で合併をアピールする民主党の菅代表、旧自由党党首の小沢一郎氏ら=5日午後、東京都内のホテルで |
民主党は5日、東京都内のホテルで旧自由党との合併大会を開いた。菅代表が「脱官僚宣言 5つの約束 2つの提言」と題するマニフェスト(政権公約)を正式発表し、4年以内に国会議員定数と公務員人件費の1割削減や、「ひも付き補助金」の全廃などを強調した。また、イラク特措法に基づく自衛隊派遣には反対し、国連安保理決議に基づくPKO(国連平和維持活動)ができた場合は前向きに対応することなども盛り込み、与党との違いに重点を置いた内容となった。
新しい民主党は204人(衆院137人、参院67人)で、200人を超す野党の誕生は55年の社会党、94年の新進党以来。
小沢一郎・旧自由党党首は、大会で「ようやく自民党と真っ向から対決する体制を確立できた。いかなる手段を尽くしても政権交代を成し遂げる」と語った。菅氏は「民主党の全候補はマニフェストの実行を約束して総選挙に臨む」としたうえで「自民党はきちんとしたマニフェストを出して、正々堂々と戦ってほしい」と求めた。
「脱官僚宣言」は、企業・団体献金を1円以上すべて公開するなど政官界の改革を強調。長崎県・諌早湾干拓など大型公共事業中止も明記した。公約集では、介護施設1万カ所増設や、小学生までの医療費窓口負担を1割に軽減なども盛り込んだ。
基礎年金の国庫負担率を2分の1に引き上げる財源は公共事業の削減などを充てるとし、将来創設する「国民基礎年金」の財源は「消費税を充てる」と一部福祉目的税化を打ち出した。菅氏は大会で「名目2%程度の経済成長が安定化した段階で、引き上げを含めて考えていきたい」と、将来は引き上げを検討する考えを示した。
小泉首相が公約の柱に掲げる郵政民営化については「膨大な郵便貯金や簡易保険の資金をどうするか決めることが先決」として方向性は示さなかった。憲法は「『論憲』から『創憲』へ」と明記したが、菅氏は大会後の記者会見で「次の4年は憲法(改正)発議は考えていない」と語った。
民主党は7項目の重点政策の絞り込みを進めてきた。最終的に、菅氏の判断で「政治資金の全面公開」などを盛り込み、大会直前に「5つの約束」と「2つの提言」の7項目を決定した。
◇「民主マニフェスト」骨子
<5つの約束>
(1)霞が関からの「ひも付き補助金」を全廃(4年以内)
(2)政治資金を全面的に公開
(3)道路公団を廃止、高速道路料金を無料に(3年以内)
(4)国会議員の定数と公務員の人件費を1割削減(4年以内)
(5)川辺川ダム、諌早湾干拓、吉野川河動堰(かどうぜき)を直ちに中止
<2つの提言>
(1)基礎年金の財源に消費税を充て、新しい年金制度を創設
(2)小学校の30人学級を実現、学校週5日制を見直す
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