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利を見て義を思う: 三重野康の金融政策講義 単行本 – 2000/1/1
- 本の長さ281ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2000/1/1
- ISBN-104120029751
- ISBN-13978-4120029752
商品の説明
メディア掲載レビューほか
本のタイトルは論語からの引用である。この種のタイトル本は概してつまらないことが多い。精神論で透徹されるからだ。しかし,この本は違う。副タイトルでも分かるように前・日銀総裁の三重野氏が杏林大学で行った3年間の講義をまとめたものだ。中央銀行と金融政策の基本について網羅的に図解も入れた解説が中心だ。
それも,さすが総裁だけあって簡潔である。大学で経済原論の授業はよく分からなかったとか,日本経済をもっと理解したいという方にとって,三重野総裁の授業を追体験することで,自分の知識を総点検ができる。日本銀行や中央銀行について,きちんと書かれた本は少ない。そう言う意味でもこの本は大変貴重である。
もちろん単なる解説書ではない。いわば,三重野氏の回顧録的な面や文章の端々に「平成の鬼平」らしい発言が見え隠れしておもしろい。例えば,中央銀行の役割は物価の安定と金融システムの安定としながらも,それは「景気が悪くなったから,単純に元の好景気に戻すという短期的な発想でなく,より中長期的な観点に立つものである」と氏の基本姿勢を示す。また,「物価安定のための措置は概して世の中の評判はよくない。それは宴会の真っ最中にお銚子をさっと引き上げてしまうようなものであって,これは政治ではなかなかやり難いからである」とか「民主政治における政治力学は,景気をよくするためにカネをつかいたがる傾向がある」と政治や世論とのギャップに悩む日銀総裁の苦しい胸の内を吐露している。そして,氏の引き締め策が一因となった土地価格の急落を意識しながら「資産価格は物価そのものではない。従って,資産価格の安定は,金融政策の直接的な目標ではない(地価の安定は,第一義的には税制,都市政策の対象である)」と言い切るのである。戦後の日銀総裁の中でも最もセントラルバンカーで,氏の誠実で無骨なまでの思いが語られるのが大変興味深い。 (経済評論家・ジャーナリスト 佐藤 治彦)
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内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2000/1/1)
- 発売日 : 2000/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 281ページ
- ISBN-10 : 4120029751
- ISBN-13 : 978-4120029752
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