「偽りのない自分」とは外発的・随伴的動機ではなく内発的な動機に基づく言動や態度だ、という
趣旨には大いに納得・賛同するし、
『連続殺人鬼や精神疾患者の言動が偽りのない自分に基づいたもののはずがない』、という要旨の序盤の文章には
開眼させられました。
ただ、
報酬や罰を否定し、内発性や自律性を損なうものとしておきながら、のちには
適切な報酬は必要だとあったり、報酬や罰のなかったはずの昔の共産圏のブルガリア人にも
やる気がなかったと述べるなど(これは根底に国全体の統制があったからやる気がなかった?)、
結局どうしたらいいのか?という段になると迷走感がぬぐえなかったです。
子供の好奇心や内発性を理想としてますが、その通りにしても子供の柔軟で強靭な脳と大人の硬化した脳は
違うのに、その違いを考慮した現実的な議論がなされているとは思えなかった。
しかしそれでも、着眼点や主張の要旨は傑出しており、他の自信系の本とは一線を画するものがある
と思います。星4つとはしがたいと思いました。
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人を伸ばす力―内発と自律のすすめ 単行本 – 1999/6/10
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◆アメとムチはもう利かない!◆人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。
- ISBN-104788506793
- ISBN-13978-4788506794
- 出版社新曜社
- 発売日1999/6/10
- 言語日本語
- 本の長さ309ページ
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思いやりの力 | 人を伸ばす力 | 行動を起こし、持続する力 | 利他性の人間学 | |
カスタマーレビュー |
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価格 | ¥2,420¥2,420 | ¥2,640¥2,640 | ¥2,530¥2,530 | ¥5,060¥5,060 |
著者 | 櫻井茂男 著 | エドワード・L.デシ、リチャード・フラスト著/桜井茂男監訳 | 外山美樹 著 | チャールズ・ダニエル バトソン著/菊池章夫・二宮克美訳 |
内容紹介 | 死ぬときに幸せだったと思えるには? 答えは千差万別。でも人を思いやることができた人は心も平安ではないでしょうか。人は時に利己的です。思いやる心はどう育つのか、思いやりのない人とどうつきあえばいいのか。心理学の成果をわかりやすく解説。 | 研究の第一人者が初めて一般読者のために説いた内発的動機づけと自律性の驚くべき力。人間がほんらい内にもっている自分を伸ばす力,それをいかに活性化するか,どう育てるか。鋭い分析と洞察でアメとムチの常識を覆し,人間観の変革をうながす。 | 「子どもはほめて伸ばせ」「レベルの高い学校に行ったほうが学習意欲が高まる」「悲観的に考えると失敗する」…次々に発見される,一般に信じられている“常識”を覆す心理学の知見。モチベーションを高める心理学の最新の成果をわかりやすく理解できる一冊。 | 人間は利己心なく他人に関心をもち,他人を助けることができるのか? 共感のような,人間性の核心にある複雑な心理を,どうしたら科学的に明らかにできるのか? 徹底して実証的にこの問題に挑んできた実験社会心理学者の,巧みな実験による検証。 |
商品の説明
出版社からのコメント
◆アメとムチはもう利かない!◆ 人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。
内容(「MARC」データベースより)
伸びる人、伸びない人はどこで分かれるのか? 自ら学ぶ・やる意欲をもつこと、すなわち「内発的動機づけ」と、自己決定の重要性を、一般向けに分かりやすく解説する。
レビュー
◆アメとムチはもう利かない!◆
人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。 --出版社からのコメント
人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。 --出版社からのコメント
抜粋
この本のねらいを手短かに述べておこう。それは、さまざまな動機づけ研究から自律性と責任感の関係について探り、疎外をもたらす世界において責任ある行動を促すという問題に活かすことである。この本には希望がある。なぜなら、自分たちのために、子どもたちのために、雇われている人たちのために、患者のために、学生のために、スポーツをする人のために、私たちは何ができるのか―私は社会のために何ができるのか―を提示しているからである。ここに提供する処方箋は万能薬ではないし、たやすく実行できるものでもない。しかし、その処方箋はすべての人にかかわるし、教師、管理職、親、医者、コーチなどの役割に利用できる。実際、この処方箋は方針を立案する立場のすべての人々にとって重要である。処方は先ず、動機づけを理解する事、そしてそれがどれほど偽りのない自分にもとづくものであるかを知ることから始まる。そうした理解に立って、自分自身をもっと有効に統御すること、いままでとは違うしかたで他者と関係をもつこと、そしてもっと意味のある社会的方針を立てることを目指している。(「第1章 権威と不服従」より)
著者について
エドワード L ディシ(ロチェスター大学教授)、リチャード フラスト(ニューヨークタイムズ元編集長)
登録情報
- 出版社 : 新曜社 (1999/6/10)
- 発売日 : 1999/6/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 309ページ
- ISBN-10 : 4788506793
- ISBN-13 : 978-4788506794
- Amazon 売れ筋ランキング: - 41,954位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年7月27日に日本でレビュー済み
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専門書と思って購入しましたが、理論的な内容は最小限で結論部分の記述しかなされていない。読み物としては興味深いものの、結論だけの記載であるため説得力に欠ける。著者の他の書籍を読んでいないため、内容の良否や信憑性については判断できない。
2011年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人が積極的に行動する時の基礎となる内発的動機づけについて非常に分かりやすく解説されています。職場の上司と部下、親子、夫婦など、あらゆる人間関係について、この内発的動機づけを理解しているか否かが非常に重要であることを深く認識させられます。多分、読んだその日から、子供の叱り方や、部下への指示の仕方が変わった人が多いのではないでしょうか?そして、その効果はすぐに出てきます!
この本は心理学の本ではありますが、内容は平易かつ実験事例も多数紹介されているので非常に読みやすくなっています。ただし、第5章くらいまでと第6章では、文体に変化が感じられ、前半部分での判りやすいタッチが急に難解になったように感じました。そして、後半になると、また、平易になります。訳者の違いか、原書の問題かはわかりませんが・・・途中、つらくなっても、最後まで頑張って読まれることをお勧めします。
それにしても、この本を読むと成果主義の人事制度がいかに謝っているかが理解できますが、不思議に思うのは、ここまで明快に成果主義が否定されていたのにもかかわらず、米国の社会(少なくとも、経済や経済学)がこの本の問題提起をほぼ完全に無視して今日に至っているように見えることです。内発的動機づけの考え方を拒む社会的な力がかの国ではあるのでないか?と疑問に感じます。
また、米国社会と日本社会の差異を観察できる立場にある人にとっては、米国の社会構造の分析から出発しているこのデシの主張が、日本にどれだけそのまま当てはまるのかは、今後の研究課題として残るのではないかという印象を持たれた人が多いのではないかと思います。成果主義を導入している企業でも、それによる内発的動機づけの抑制度合いが日本拠点と海外拠点では違うことを感じる多国籍企業の社員の方も多いと思います。また、192ページに日本について記述がありますが(塚崎公義氏の分析を借りれば、事実誤認の謝った分析と判断せざるを得ませんが)人間の普遍的な分析を主題としているこの本が日本について1ページを割いてること自体、日本人論の出発点の一つとしての内発的動機付けの可能性を示唆するように思います。
99年の初版ですが、今、この本を読む人はそれなりの問題意識を持たれていると思いますが、心理学だけでなく経済学・経営学など幅広い研究において大いに参考となる本だと思います。
この本は心理学の本ではありますが、内容は平易かつ実験事例も多数紹介されているので非常に読みやすくなっています。ただし、第5章くらいまでと第6章では、文体に変化が感じられ、前半部分での判りやすいタッチが急に難解になったように感じました。そして、後半になると、また、平易になります。訳者の違いか、原書の問題かはわかりませんが・・・途中、つらくなっても、最後まで頑張って読まれることをお勧めします。
それにしても、この本を読むと成果主義の人事制度がいかに謝っているかが理解できますが、不思議に思うのは、ここまで明快に成果主義が否定されていたのにもかかわらず、米国の社会(少なくとも、経済や経済学)がこの本の問題提起をほぼ完全に無視して今日に至っているように見えることです。内発的動機づけの考え方を拒む社会的な力がかの国ではあるのでないか?と疑問に感じます。
また、米国社会と日本社会の差異を観察できる立場にある人にとっては、米国の社会構造の分析から出発しているこのデシの主張が、日本にどれだけそのまま当てはまるのかは、今後の研究課題として残るのではないかという印象を持たれた人が多いのではないかと思います。成果主義を導入している企業でも、それによる内発的動機づけの抑制度合いが日本拠点と海外拠点では違うことを感じる多国籍企業の社員の方も多いと思います。また、192ページに日本について記述がありますが(塚崎公義氏の分析を借りれば、事実誤認の謝った分析と判断せざるを得ませんが)人間の普遍的な分析を主題としているこの本が日本について1ページを割いてること自体、日本人論の出発点の一つとしての内発的動機付けの可能性を示唆するように思います。
99年の初版ですが、今、この本を読む人はそれなりの問題意識を持たれていると思いますが、心理学だけでなく経済学・経営学など幅広い研究において大いに参考となる本だと思います。
2014年12月31日に日本でレビュー済み
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二十世紀中、最も偉大な美術教師ロバート・ヘンリはこう述べた。「絵を描くことの目的は、絵を完成させることではない。真の芸術活動の背後にある目標は、存在の本質的状態(a state of being)に到達することである。」つまり、自らの存在意義に没頭しているときの精神の高揚、それこそ仕事の真の意味だとこの偉大な著作者らは考えているのだ。金を稼ぐとか絵を完成させるというような何かの目的に到達することとは副次的なものにすぎないのである。そこにヘンリは「普通に存在している以上の状態」を見出す。そして、絵を描くことに内発的に動機づけられている人は、単に精神の高揚を経験するだけでなく、真の芸術を生み出すのである。
しかし残念ながらこうした状態は長くは続かない。非常にもろく儚いものだと言わざるを得ない。生得的なこうした意識はどのようにしたら伸ばすことが出来るのか。既存の教育には供えられていないこの力への研究意識がデシの出発点であった。
デシが見つけ出したそのための要素は自律性・有能感・関係性の三つとなる。以下ではそれらについて見ていく。
うまくこなせる、という感覚は非常に重要だ。その感覚が生涯の職業に導く担い手になることもある。彼らは、仕事に打ち込めば打ち込むほど、そうした感覚を得られることに気付き、一層大きな内発的な満足を経験するだろう。有能感は他者が強いた選択ではなく、自らの意思によって選択を行い、物事に習熟したり自分自身の有能さを確かめようとして意欲的に活動するときにもたらされる。トップである必要も、Aの成績を得る必要もない。自分にとって意味のある挑戦を見つけ、ベストを尽くすことが重要なのである。
重要なことは、有能感には自律性が伴わなければならないということだ。デシは「有能な操り人形に、人間性が育つことはない。そのような有能感には人生の本質が欠けている。」と述べる。有能感と自律性は互いに補い合うことで成長を支える力となり、人々の達成や生涯にわたる学習を導くのである。
人は効果的で自由でありたいと望むだけでなく、他者と結びついていたいとも願っている。これが関係性への欲求である。カール・ロジャーズは「他ならぬ自分自身へと近づいていくプロセスに完全に没頭しており、それによって自分が、健全で現実的な社会性を持っているということに気付く」人を「完全に機能する人」と述べているが、自律性・有能感のほか、関係性もそのための重要な要素となる。
デシが自律性・有能感・関係性の内発的動機付けの三要素の内、もっともページを割いているものは自律性である。人とうまく関係を築くことも、有能感を得ることも、「自己決定」をその前提としている。つまり、自らの決定した事柄を核に関係を築き、有能感を持つのである。絵を描きたいという思いがあってこそ、一人では達成不可能な務めが生まれ、人との絆が必要になり、コンピタンス(有能感)を育てようとする。自律性こそ、著者が考える動機づけのコアであると言えよう。
本書の豊富な事例とすぐれた考察力は特筆ものであり、何度も読み返す価値がある。D・ゴールマンをして現在最も重要な心理学者だと言わしめる。誰もに薦められる著作であろう。
http://naniwa1001.blog108.fc2.com/blog-entry-96.html
しかし残念ながらこうした状態は長くは続かない。非常にもろく儚いものだと言わざるを得ない。生得的なこうした意識はどのようにしたら伸ばすことが出来るのか。既存の教育には供えられていないこの力への研究意識がデシの出発点であった。
デシが見つけ出したそのための要素は自律性・有能感・関係性の三つとなる。以下ではそれらについて見ていく。
うまくこなせる、という感覚は非常に重要だ。その感覚が生涯の職業に導く担い手になることもある。彼らは、仕事に打ち込めば打ち込むほど、そうした感覚を得られることに気付き、一層大きな内発的な満足を経験するだろう。有能感は他者が強いた選択ではなく、自らの意思によって選択を行い、物事に習熟したり自分自身の有能さを確かめようとして意欲的に活動するときにもたらされる。トップである必要も、Aの成績を得る必要もない。自分にとって意味のある挑戦を見つけ、ベストを尽くすことが重要なのである。
重要なことは、有能感には自律性が伴わなければならないということだ。デシは「有能な操り人形に、人間性が育つことはない。そのような有能感には人生の本質が欠けている。」と述べる。有能感と自律性は互いに補い合うことで成長を支える力となり、人々の達成や生涯にわたる学習を導くのである。
人は効果的で自由でありたいと望むだけでなく、他者と結びついていたいとも願っている。これが関係性への欲求である。カール・ロジャーズは「他ならぬ自分自身へと近づいていくプロセスに完全に没頭しており、それによって自分が、健全で現実的な社会性を持っているということに気付く」人を「完全に機能する人」と述べているが、自律性・有能感のほか、関係性もそのための重要な要素となる。
デシが自律性・有能感・関係性の内発的動機付けの三要素の内、もっともページを割いているものは自律性である。人とうまく関係を築くことも、有能感を得ることも、「自己決定」をその前提としている。つまり、自らの決定した事柄を核に関係を築き、有能感を持つのである。絵を描きたいという思いがあってこそ、一人では達成不可能な務めが生まれ、人との絆が必要になり、コンピタンス(有能感)を育てようとする。自律性こそ、著者が考える動機づけのコアであると言えよう。
本書の豊富な事例とすぐれた考察力は特筆ものであり、何度も読み返す価値がある。D・ゴールマンをして現在最も重要な心理学者だと言わしめる。誰もに薦められる著作であろう。
http://naniwa1001.blog108.fc2.com/blog-entry-96.html
2011年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
動機理論というとマズローからの一連の流れを想起しますが、
「内発的動機」というキーワードで知られるデシ氏の視点も”人のモチベーション”がテーマ。
スキナーのアプローチをベースに、より科学的かつ詳細に検討されていて納得がいく。
内容的には、人を育てようとする際のコミュニケーションの具体的なあり方が論じられていると言える。
また、人をいかに動かすか、動機づけるか、をテーマにしたリーダーシップを論じるにも欠かせない視点。
リーダーシップ論というと、どうしても影響を及ぼす側についての考察が中心になってしまうが、
実際に動くのは他者であるから、影響される側の視点を知らずには適切な検討ができない。
また、マネジメントにおける現実問題は統制を回避できない状況で、いかに内発的動機づけ(自律生と有能感)
を支援できるか、ということ。
そしてまた、組織マネジメントにおいてはある程度公式化されていることが必要となるので、
この本の論点から目標管理や成果主義を全面的に否定するのではなく、現在のマネジメントを
・個人の心理状況にまで視野を拡げたマネジメント
・長期の視点も視野に入れたマネジメント
・経済や効率以外の指標も視野に入れたマネジメント
などに進化させるためには何が欠落していたか?どのようにすればよいのか?
を検討する糸口にするとよいと思う。
この本は、とても有意義な視点を提供してくれる。
「内発的動機」というキーワードで知られるデシ氏の視点も”人のモチベーション”がテーマ。
スキナーのアプローチをベースに、より科学的かつ詳細に検討されていて納得がいく。
内容的には、人を育てようとする際のコミュニケーションの具体的なあり方が論じられていると言える。
また、人をいかに動かすか、動機づけるか、をテーマにしたリーダーシップを論じるにも欠かせない視点。
リーダーシップ論というと、どうしても影響を及ぼす側についての考察が中心になってしまうが、
実際に動くのは他者であるから、影響される側の視点を知らずには適切な検討ができない。
また、マネジメントにおける現実問題は統制を回避できない状況で、いかに内発的動機づけ(自律生と有能感)
を支援できるか、ということ。
そしてまた、組織マネジメントにおいてはある程度公式化されていることが必要となるので、
この本の論点から目標管理や成果主義を全面的に否定するのではなく、現在のマネジメントを
・個人の心理状況にまで視野を拡げたマネジメント
・長期の視点も視野に入れたマネジメント
・経済や効率以外の指標も視野に入れたマネジメント
などに進化させるためには何が欠落していたか?どのようにすればよいのか?
を検討する糸口にするとよいと思う。
この本は、とても有意義な視点を提供してくれる。
2023年5月24日に日本でレビュー済み
権威と服従
自律性と有能感がなぜ大切なのか
お金だけが目的さ
自律を求めて
内発的動機づけと外発的動機づけ
有能感をもって世界とかかわる
人との絆がもつ役割
発達の内なる力
社会の一員になるとき
社会のなかの自己
病める社会のなかで
どうしたらうまくいくか
いかに自律を促進するか
健康な行動を促進する
統制されても自律的に生きる
この本で言いたかったこと
自由の意味
訳者あとがき
引用文献
索引
自律性と有能感がなぜ大切なのか
お金だけが目的さ
自律を求めて
内発的動機づけと外発的動機づけ
有能感をもって世界とかかわる
人との絆がもつ役割
発達の内なる力
社会の一員になるとき
社会のなかの自己
病める社会のなかで
どうしたらうまくいくか
いかに自律を促進するか
健康な行動を促進する
統制されても自律的に生きる
この本で言いたかったこと
自由の意味
訳者あとがき
引用文献
索引
2016年11月3日に日本でレビュー済み
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自由になりたいと叫んで夜中に学校の窓ガラスを破り、盗んだバイクで走り出した彼の心は決して自由ではなかったであろう。ある社会的な価値に対して服従することも、また彼のように反抗することも、どちらも内的に取り入れられた価値に「統制」されていることになる。「人間の自由」とは「真に自律的」である必要があると本書は述べている。
政治体制が共産主義であろうが資本主義であろうが、外部からの価値の取り込みを強要されるようであるのであれば、その本質的な内容に大きな差はない。社会が何か今と違うものになろうとするならば、より「自律的」であるかどうかだと思う。国や職場、学校、家庭において行動の動機となるものが、あまりにも外発的な報酬に偏っているが、これがより内発的なものを出発点とすることは、精神衛生上も、また創造性や効率などの点からも重要だと考える。
外発的な報酬を基にすると、仕事や勉強が報酬を得るための「手段」となるため(結果目的)、作業自体からの有効なフィードバックが得られにくいわけである。これでは自発性や創造性を育てるのが難しく、現在の学校や職場で主に行われていることに思える。ところが、内発的な報酬、その行為自体が楽しく、作業を行うことが報酬であれば(行為目的)、自律的であり、より望んで作業に参加しようとするであろう。
コンピュータの専門学校で音楽制作の講師をしていた頃、私の授業は学内ではメインの授業ではなかったが、ある出来の悪い2人組が私の授業は熱心にうけてくれ、操作の分からないところを聞くだけで放ったらかしにもかかわらず、卒業制作のコンペで一位になったのであった。その時に彼が「こんなに真剣に何かに取り組んだのは初めてだ」と言ってくれたのを覚えている。
子供に勉強をさせたいがうまくいかないなど、相手に何かを働きかけようとするが苦心されている方々も、より統制的ではない、より自律的になるアプローチを試されてみるのも一考かと思うのである。
政治体制が共産主義であろうが資本主義であろうが、外部からの価値の取り込みを強要されるようであるのであれば、その本質的な内容に大きな差はない。社会が何か今と違うものになろうとするならば、より「自律的」であるかどうかだと思う。国や職場、学校、家庭において行動の動機となるものが、あまりにも外発的な報酬に偏っているが、これがより内発的なものを出発点とすることは、精神衛生上も、また創造性や効率などの点からも重要だと考える。
外発的な報酬を基にすると、仕事や勉強が報酬を得るための「手段」となるため(結果目的)、作業自体からの有効なフィードバックが得られにくいわけである。これでは自発性や創造性を育てるのが難しく、現在の学校や職場で主に行われていることに思える。ところが、内発的な報酬、その行為自体が楽しく、作業を行うことが報酬であれば(行為目的)、自律的であり、より望んで作業に参加しようとするであろう。
コンピュータの専門学校で音楽制作の講師をしていた頃、私の授業は学内ではメインの授業ではなかったが、ある出来の悪い2人組が私の授業は熱心にうけてくれ、操作の分からないところを聞くだけで放ったらかしにもかかわらず、卒業制作のコンペで一位になったのであった。その時に彼が「こんなに真剣に何かに取り組んだのは初めてだ」と言ってくれたのを覚えている。
子供に勉強をさせたいがうまくいかないなど、相手に何かを働きかけようとするが苦心されている方々も、より統制的ではない、より自律的になるアプローチを試されてみるのも一考かと思うのである。
2013年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上司に勧められて購入。読みやすく面白かった。電車の中で読むにはちょうど良い感じです。