【7月26日 AFP】25日に行われた東京五輪のスケートボード・男子ストリート決勝で、失意の7位に終わった米国のナイジャ・ヒューストン(Nyjah Huston)が、酷暑とファンのいない環境を嘆いた。

 世界選手権(Street Skateboarding World Championships)のタイトルを何度も獲得し、世界ランキングも1位とこの競技を席巻するヒューストンだが、25日の決勝では4回連続でトリックに失敗して決勝の8選手中7位と、忘れてしまいたい一日を過ごした。

 堀米雄斗(Yuto Horigome)が初代五輪王者に輝く一方、スケボー界のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)やレブロン・ジェームズ(LeBron James)とも言える知名度と資産を誇るヒューストンにとっては、説明の難しい結果になったが、本人はその理由について、焼けるような日差しの下、ファンがいない中で五輪金メダルを懸けて争うのは難しかったと話している。

 これまでヒューストンは、ファンが歓声を上げる中で勝利を重ねてきたが、今回の五輪は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で無観客開催が決まった。スケボー会場である有明アーバンスポーツパーク(Ariake Urban Sports Park)でも、スピーカーからヒップホップが鳴り響いてはいたが、観客のいない寂しさは強く残っていた。

 ヒューストンは「雰囲気は間違いなく難しかった」と話し、「イヤホンをつけて滑っていても、普段は観客からエネルギーをもらっている。ファンがいなかったのは本当に残念だった」と嘆いた。

 34度に達した気温についても「大きな影響がある」と言及。「足が焼けるようなクレイジーな感覚だ。暑すぎてボードも曲がっているかのようだった。簡単じゃない」と続け、さらに普段以上の重圧があったことも認めた。

 それでも失意の中でヒューストンは、五輪出場の夢がかなったと話し、スケートボードが保守的な五輪の世界に「新たな刺激」をもたらしてほしいと期待した。(c)AFP