【8月24日 AFP】シリア政府軍は23日、同国北西部モレク(Morek)に置かれたトルコ軍の監視拠点周辺を掌握し、この拠点を包囲した。在英の非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。トルコ政府は拠点から撤退しないと言明している。

 シリア政府はロシアの支援を受け、イスラム過激派が支配する北西部イドリブ(Idlib)県に数か月前から攻勢を仕掛け、同県と境を接するトルコとの対立を強めている。

 シリア人権監視団は「政府軍は一帯にある他の町や村を掌握した後、モレクにあるトルコの監視拠点を包囲した」と述べた。

 一方、トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相はレバノンの首都ベイルートで行った記者会見で、モレクの拠点は「封鎖されていない。われわれの部隊や兵士を孤立させることは誰にもできない」と主張。

「われわれが拠点にとどまっているのは、撤収できないからではなく、したくないからだ」と述べた上で、シリア政府を支援するロシア、イランとこの問題を協議していると明らかにした。

 トルコ軍は昨年、シリアの反体制派を支援する同国の同盟勢力とイスラム過激派がシリア政府軍と戦う前線地帯に監視拠点12か所を設置した。これは、ロシア政府との合意に従った措置。モレクの拠点もその際に設けられた。(c)AFP/Tony Gamal-Gabriel