【3月7日 AFP】米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(US District Court, Southern District of New York)は6日、世間の注目を集めた一連のサイバー攻撃に関与した英国、アイルランド、米国在住の5人が訴追されたことを明らかにした。

 訴追されたのは、英国在住のライアン・アクロイド(Ryan Ackroyd、23)とジェイク・デイビス(Jake Davis、29)、アイルランド在住のダレン・マーティン(Darren Martyn、25)とドナカー・オシアベイル(Donncha O'Cearrbhail、19)、米国在住のジェレミー・ハモンド(Jeremy Hammond、27)の5被告。

 公開された起訴状には、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)や米情報関連企業「ストラトフォー(Stratfor)」、米コンピューター・セキュリティー会社「HBゲーリー(HBGary)」に対する攻撃など、ここ数年世間を騒がせたサイバー攻撃が記載されている。

 5人は米ビデオゲーム製作会社のベセスダ・ソフトワークス(Bethesda Softworks)、アイルランド警察、アイルランドの政党の統一アイルランド党(Fine Gael)、米テレビ局のフォックス放送(Fox Broadcasting Company)、米公共放送サービス(Public Broadcasting ServicePBS)に対する攻撃にも関与したとされている。

■有力ハッカーがFBIに捜査協力

 米当局によると、「Sabu」のスクリーンネームで知られ、アノニマスから派生した国際ハッカー集団「ラルズ・セキュリティー(Lulz Security)」のリーダーだったヘクター・ザビエル・モンセガー(Hector Xavier Monsegur)被告(28)は一連のハッカー攻撃に関する罪を認めており、124年の禁錮刑が言い渡される可能性があるという。

 米捜査当局は、今回の5人を訴追する上でモンセガー被告の協力があったかどうかについては明らかにしていないが、米FOXニュース(Fox News)は、モンセガー被告が数か月に渡ってひそかに米連邦捜査局(FBI)の捜査に協力していたと報じている。

 6日に公開された文書によれば、モンセガー被告は前年8月にサイバー攻撃関連の12の罪を認め、クレジットカード大手のマスターカード(MasterCard)とビザ(Visa)、オンライン決済サービス「ペイパル(PayPal)」、そしてアルジェリアやチュニジア、イエメン、ジンバブエの政府に対してアノニマスが行った攻撃に関与したことも認めているという。

 アノニマスは6日、ツイッター(Twitter)の「@anonops」というアカウントで「ラルズ・セキュリティーは1つのグループだが、アノニマスは1つのムーブメントだ。グループは入れ替わるが、思想は残り続ける」とツイートし、「@YourAnonNews」では「アノニマスはヒドラだ。頭を1つ切り落とせば2つ生えてくる」と述べるなど、メンバーの訴追にもひるまない姿勢を示した。(c)AFP/Brigitte Dusseau

【関連記事】国際ハッカー5人が関与したサイバー攻撃のリスト